ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)5.結果今回,バリ不良の発生やまくり変形,及び突き出しブロックの適正配置を予測する技術を開発した。これを活用し,金型構造をシンプル化してバンパ裏面の割りを極少化するワンピース化を進めてきた。その結果,魂動デザインの実現に貢献しつつビジネス効率を最大化する金型を設計する手法を構築できた。具体的な事例として,Fig. 12でCX-7からCX-5を経て,CX-3で開発したフロントバンパ金型での改善の様子を示す。図中の左図が実際の金型モデルで右図がそれを簡略化した絵である。CX-7 Mold DesignCoresparting LineEjector blockCX-5 Mold DesignCoresparting LineAngular blockStill blockCX-7では傾斜コア構造のため大きな割りがバンパ上に存在していた上,金型構造も複雑であった。CX-5ではまくり構造の適用により金型構造は幾分シンプルになったが,依然としてヘッドランプ下のアンダーカット処理のための中型エジェクタブロックの割りがバンパ裏面に存在していた。そしてCX-3では,CX-5では中型エジェクタブロックを適用していた部位にまくり構造を採用することで,魂動デザインを阻害する割りをなくすことができた。更にボンネットの先端を構成するアッパーフェースの一体化成形も行い,その際にアッパーフェースへFig. 8に示すようなまくり構造を採用することで,魂動デザインを忠実に再現しつつ投資削減を同時に達成できた。6.おわりに車両のブランド価値を向上させるためには,内外装に多数使用されているプラスチック部品の質感や折り合いなどの商品価値を向上させ,魂動デザインや人馬一体をより高めていくことが重要と考える。これをビジネス効率最大で行うためのソリューションの1つとして,更なる金型設計技術の開発を今後も進めていく所存である。参考文献(1)得平ほか:バンパー金型構造のシンプル化への取組み,型技術,Vol. 28 No. 5, pp.64-69(2013)(2)佐藤ほか:“魂動デザイン”を実現する金型における,生産性の最大化に向けた金型構造解析技術の構築,型技術,Vol. 29 No. 9 pp.31-35(2014)■著者■"MAKURI" blockCX-3 Mold Design佐藤博紀古川智司澤田義裕Upper FaceintegratedCoresNoneparting Line松田善光鈴木広之Fig. 12 Progress of Mold Design-262-