ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
272/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている272ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報特許紹介コンパクトクロスオーバSUV(乗用車ベーススポーツ用多目的車)の意匠意匠登録第1460391号(登録日2012年12月21日)創作者中山雅,岩尾典史,宮地善和,岩内義人,淺野行治発明の実績社内実施(CX‐5)平成26年度全国発明表彰発明賞受賞本意匠に係るCX-5は,平成25年度中国地方発明表彰では上位特別賞の特許庁長官奨励賞を受賞し,平成26年度全国発明表彰では発明賞を受賞した。これら発明表彰は毎年さまざまな業種の企業から優れた技術やデザインが数多く応募されており,その中から車のデザインが全国発明表彰で発明賞を受賞するのは、産業界で最上位のデザインであることが認められたことを意味する。<意匠の背景><意匠の概要>本意匠に係るコンパクトクロスオーバSUVは,新しい技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」と新デザインテーマ「魂動(こどう)」を融合し,獲物に飛びかかろうとするチーターを彷彿させる生命力と躍動感をデザインに造り込んで,スポーティかつ堂々としたものである。世界的にSUVの人気は高まっているが,国によって車へのサイズ感への期待は相違する。すなわち,米国では低く長い車を,欧州では効率的で短い車を好む傾向が多く,1つのボデータイプですべての期待に応えるデザインに造り上げることは,造形上至難な課題である。そこで,生命感を表現する「魂動(こどう)」デザインにより上記課題を解消し,米国人も納得する大きさ感を表現しながら欧州人が期待する合理的なパッケージを持たせるようにした。このようにして本コンパクトクロスオーバSUVに独自のスポーティな外観を与え,欧米人を納得させる存在感を持ちながら,日本人の目にも馴染みやすい世界的に共感を呼ぶデザインに仕上げた。本意匠の特長は以下のとおりである。(1)動きを予感させる独特のプロポーション車の高さと踏ん張り感・しっかりとノーズの存在感を出すことでSUVらしいシルエットを規定した上で,車全体の姿勢を前傾させフロントピラーを後方に引いてキャビンを後退させることで,より後ろ足に荷重が掛かった今にも走り出しそうな動きの予感を表現した。(2)艶があって凛とした魂動のボデーランゲージボデー全体のウエッジシェイプに呼応するようボデーサイドのキャラクタラインやホイールアーチの傾きを合わせ,全体の印象をダイナミックに表現した。フェンダも強い抑揚のあるボデー断面と連続させ,艶やかで魅力的な面の表情を狙った。(3)世界最高レベルの空力特性と魅力あるデザインボデー後方は,全体を飛行機の翼断面の一部のようなカタチに構成している。Cd値はクラストップとなる0.33を実現した。図1本コンパクトクロスオーバSUVの外観図-263-