ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
Boost Pressure [kPa - gage]Turbocharger Speed [x1000 rpm]Boost pressure [kPa - gage]Intake temperature [℃]BSFC [g/kWh]SMOKE [B.U.]マツダ技報No.32(2015)4.2高効率過給,EGR,吸排気システムSKYACTIV-D燃焼コンセプトのもう一つの要が高効率過給である。空気とEGRガスを同時に過給することで,高比熱比での低温燃焼が可能となり,高熱効率とクリーン排気の両立が達成できる。1.5Lでは回転センサ付き小型VGターボチャージャ,およびHP(High Pressure)経路とLP(Low Pressure)経路を併用したEGRシステムを採用し,高効率過給を実現した。Fig. 9に中負荷条件においてLP-EGRとHP-EGR(EGRクーラレス)を比較したエンジン実験結果を示す。LP-EGRではEGR増量によってNOxを低減した場合においても,過給圧と吸気温度がほとんど変化しない。このためHP-EGRと比較して充填量が大きくなる分,比熱比を高くすることができる。また吸気温度が低く保てるので冷却却損失の抑制にも有利である。これらの効果によってLP-EGRはHP-EGRに対し,特にNOxを低減した条件において大幅に低い燃費率を達成している。また,充填酸素量が多いためにスモークの増大も抑制できている。LP-EGRシステムでは一般に,長いEGR経路でのガス交換に伴うレスポンスの遅れ,およびEGRガス中の水蒸気が冷却されて生じる凝縮水の問題が懸念される。1.5Lでは,高機能化した水冷式インタークーラ一体式の樹脂製インテークマニホールドによってこれらの問題を対策した。Fig. 10に示すように2.2Lの別体式の空冷インタークーラシステムと比べてガス経路を大幅に短縮してガス交換のレスポンスを確保した。また2ステージターボチャージャからシングルターボチャージャへの変更とも合わせて,コンパクトなエンジンルームに合わせた小スペース化と軽量化を実現した。耐凝縮水については,冷却効率制御性の高い水冷式インタークーラによりEGRガスの過度な冷却を控えるとともに,発生してしまった少量の凝縮水はFig. 3のシステム図に示したアスピレータ機構によって強制的にエンジン筒内に噴霧状に吸引することで対処した。1.5Lでは小型VGターボチャージャを採用することで低中速域を重視しながらも,回転センサによってターボチャージャの回転数をセンシングして細やかに燃焼を制御することで従来よりも12000rpm以上も回転限界を高めることが可能となった。これによりシングルターボチャージャながらFig. 4に示したように高回転側5200rpmまでリニアなトルク特性を実現した。4.3高分散噴霧と燃焼室による低冷却損失燃焼システム小排気量化で悪化する燃焼室壁面からの冷却損失を抑制するため,燃焼室壁面への燃料付着と火炎の接触を抑制可能な噴霧混合気形成技術として,ペネトレーションを抑えた高分散噴霧インジェクタを新たに採用した。高分散噴霧の実現手段として,噴孔長を短くし,特に冷却損失の影響が大きい軽負荷での低噴射圧の少量多段噴射4030201005LP-EGRHP-EGREGR swingw/o EGR0 2 4 6 8NOx [g/kWh]8070605040300.51500rpm - middle load(21 mm 3 /st const)0 2 4 6 8NOx [g/kWh]Fig. 9 LP-EGR Effect on Fuel Consumption and EmissionsFig. 10 Compact Package of Intercooler System200180160140120100w/o sensorwith revolution sensor260240220200180160140120801002000300040005000Engine Speed [rpm]Fig. 11 Turbocharger Speed and Boost Pressure-24-