ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

Exhaust gasinto DOC [℃]Cylinder linerwall [℃]Enginecoolant [℃]マツダ技報No.32(2015)などの条件ごとに変化する噴射量のずれを補正する噴射量制御が必要となる。このような多段噴射時の各段噴射量の補正制御の精度を向上させるため,1.5Lでは2.2Lで採用していた補正マップによる制御ではなく,燃圧脈動の物理現象を数式化して噴射量のずれを噴射間隔に対する減衰振動の和で表すモデル制御を新たに開発して採用した。数式モデル内の振幅や位相などのパラメータを噴射圧力や噴射量指示値ごとに同定することでFig. 16に示すように任意の条件における噴射量ずれの予測を可能とした。高精度な噴射量制御性の確保により,1.5LではFig. 17に示すような多段燃料噴射による燃焼制御を実施している。2.2Lで構築した燃焼制御(1) (5)をベースに,各段の燃料噴射量が少なく,また小刻みなアクセルワークが多くなる小排気量化に対応させている。更に過渡や環境条件変化に伴う外乱に際しては,サイクルごとに筒内の温度,圧力,ガス成分等の状態を予測して,その筒内状態において必要十分なパイロット発熱量が得られるような要求パイロット噴射量を数式から予測して制御するモデル燃焼制御を新たに開発して採用した。これにより過渡や環境条件変化の外乱に際しても,燃費と排気の悪化を最小限に留め,かつ燃焼ノック音を抑制した優れた静粛性を実現した。Fig. 17 Multi-Stage Injection Control Strategies4.5冷却水制御システム小排気量化に伴う構造系の比熱容量増大による暖機性悪化,および排気系面積/体積比増大に伴うDOC入口ガス温度の低下への対策として,1.5LではFig. 18に示すように,エンジン冷却水回路をモータ駆動の専用バルブで切り替える冷却水制御システムを採用している。冷間時にはシリンダブロック,オイルクーラ,ATFクーラへの水流を停止して,シリンダヘッドへは最低限の水流を供給する。エンジン実験による検証結果をFig. 19に示す。冷却水回路を制限した場合に冷間始動後200secでの冷却水温度,シリンダライナ壁温度,DOC入口排ガス温度ともに約15degの暖機効果を確認した。また暖機後において従来の機械式サーモスタットと比べて目標水温への安定した制御が可能になった。Fig. 18 Engine Coolant Control System201500rpm - light load(6mm 3 /st const)20Circuit-1Circuit-1, 2, 320Fig. 16 Results of Injection Quantity Deviation Model0 100 200 300 400 500Time after engine cold start [sec]Fig. 19 Results of Engine Warm-up Curves-26-