ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報1.はじめに地球環境に対する意識が高まる中,マツダでは,技術開発の長期ビジョンである「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき,環境に優しく,走って楽しい車造りを目指している。SKYACTIV TECHNOLOGYは,「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立するための新世代技術の総称であり,その技術の一つとして,新型自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」(1),(2)を開発してきた。今回は新型デミオ用として小型軽量化したSKYACTIV-DRIVEの開発について述べる。2.開発のねらい新型デミオでは,コンパクトカーの常識を破るべく,高次元の走行性能と燃費性能の両立を目指した。その達成のために,特性の異なるガソリンエンジンとディーゼルエンジン用に,以下をねらいとした新型の小型SKYACTIV-DRIVEを開発した。1)ガソリン用小型SKYACTIV-DRIVE?各抵抗要素の効率改善及び小型軽量化?ロックアップ領域の拡大による,スリップロスの低減?発進直後からのロックアップによる発進性能の向上?ギヤ比とギヤレシオステップの最適化2)ディーゼル用小型SKYACTIV-DRIVE?ディーゼルエンジンの大トルクに対応しつつ,コンパクトカーに納まるサイズへの小型化?ディーゼルエンジンのトルク変動を減衰し,低回転からのロックアップを実現する振動抑制技術の開発Table 1 Main SpecificationsSmall SKYACTIV-Small SKYACTIV-DRIVE for Gasoline DRIVE for DieselTorque Capacity[Nm]165270Overall Length[mm]338.3349.3Input-Output Axis Distance[mm]185197Gear Ratio1st3.5293.5522nd2.0252.0223rd1.3481.4524th1.0001.0005th0.7420.7086th0.5940.599Rev.2.9943.893Final3.609~5.2793.390~4.9574.ガソリン用小型SKYACTIV-DRIVE4. 1各抵抗要素の効率改善及び小型軽量化SKYACTIV-DRIVEの基本コンセプト(1),(2)を踏襲しながら,(1)~(7)の技術を採用し、ユニット抵抗低減と小型軽量化を実現した(Fig. 1~3)。以下主要な技術について、説明する。特に記述のない場合は、中型SKYACTIV-DRIVEとの比較を表す。3.主要諸元と構造小型SKYACTIV-DRIVEの主要諸元を示す(Table 1)。ガソリン用小型SKYACTIV-DRIVEは中型SKYACTIV-DRIVEの基本構造をベースに,小排気量エンジン向けに新設計し,旧型デミオのCVTと比較して,9%の軽量化及び30.2mmの全長短縮を実現するとともに,ユニット抵抗を22%低減した。また,ディーゼル用小型SKYACTIV-DRIVEは,同じく中型SKYACTIV-DRIVEをベースとして,同等のトルク容量270Nmを確保しながら,新型デミオへ搭載するためにユニット前後長を25mm,インプット軸(エンジン軸)~デフ軸間距離を10mm短縮した。Fig. 1 Comparison of Unit Loss TorqueFig. 2 Comparison of Unit Weight-29-