ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報システムを構築した(Fig. 5)。これによって,ロックアップクラッチの油圧制御を精密化し,発進直後からのロックアップ走行とスムーズで自然な発進を実現した。速の上昇及びエンジンサウンドが同期した,マニュアルトランスミッションのようなダイレクト感を伴った発進性能を実現した(Fig. 7)。Fig. 7 Comparison of Acceleration CurveFig. 5 Structure of Full Range Direct Drive(2)振動抑制技術発進直後からのロックアップを可能とするために,パワートレイン系のねじり共振モード及び振動伝達特性などCAE解析を行い,減衰性能とロックアップダンパ剛性目標を定めた。その達成のため,従来比半減以下と大幅に低剛性化したガソリン用小型SKYACTIV-DRIVE専用のダンパを開発した。(1)項のロックアップ応答性向上と(2)項の振動抑制技術の採用により,JC08モード比較で,中型SKYACTIV-DRIVEの82%に対し,86%までロックアップ走行割合を拡大した(Fig. 6)。4. 4ギヤ比とレシオステップの最適化2.0Lガソリンエンジンに比べ余裕駆動力が小さい1.5Lガソリンエンジン用のSKYACTIV-DRIVEを開発するにあたり,各ギヤ段のギヤ比だけではなく,ギヤ段間のレシオステップも最適化した。高ギヤ段になるに従い同じ割合で徐々にステップ比を小さくすることで,エンジントルクを無駄なく使い切りながら,より滑らかな変速フィーリングと駆動力を得ることを目指した(Fig. 8)。中型SKYACTIV-DRIVEをベースに内部構造を見直し,変速ブレーキの締結要素とプラネタリギヤ比の変更及びダブルピニオンギヤを採用することによって,これを実現した。Fig. 8 Comparison of Gear Ratio StepFig. 6 Comparison of Lockup Range in JC08 Mode4. 3発進性能の向上コンパクトカーの重要性能の一つとして,発進停止を繰り返す街乗りでの快適性が挙げられる。ガソリン用小型SKYACTIV-DRIVEでは特に発進時のフィーリング向上に努めた。ロックアップの応答性を向上したことで,発進直後からスリップ制御が可能となり,中型SKYACTIV-DRIVEと比べてエンジン回転のコントロール性を向上させ,トルクコンバータによるすべり感を低減した。それによって,加速時のドライバーのアクセル操作(右足の感覚)と車5.ディーゼル用小型SKYACTIV-DRIVE既存の中型SKYACTIV-DRIVEをベースに,小型化と振動抑制技術を進化させ、新型デミオに搭載した。5. 1小型化SKYACTIV-DRIVEで採用しているインプット軸,カウンタ軸,デフ軸の3軸構造で,軸間距離を短縮するために,カウンタ軸~デフ軸間距離を16.2mm短縮するとともに3軸配置を最適化した(Fig. 9)。これによって,ユニットの前後長を25mm短縮し,新型デミオ用プラットフォームへ搭載可能なサイズへと小型化した。また,インプッ-31-