ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
42/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている42ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報特集:新型デミオ6新型デミオの小型高効率MTの開発Development of SKYACTIV-MT for New DEMIO岡留泰樹*1池本孝之*2北原智之*3Yasuki Okadome Takayuki Ikemoto Tomoyuki Kitahara福田真人*4Masato Fukuda要約小型SKYACTIV-MTは,既に量産化された中型・大型SKYACTIV-MTの基本コンセプトを踏襲しつつ,デミオクラスの小型車にふさわしい,更なる「小型・軽量・低抵抗化」を追求・進化させたマニュアルトランスミッションである。小型SKYACTIV-MTは,エンジンの特性に合わせ,6MT&5MT双方に派生可能で幅広いトルクバンドに適応したギヤトレイン構造とコンパクトな操作系機構を備え,優れた環境・安全性能と意のままの操作性を実現した。SummaryWhile inheriting the basic concept of mid/large size SKYACTIV-MT already in production, new smallsize SKYACTIV-MT was made suitable for compact car by pursuing further“downsizing, weight and frictionreduction”. The new SKYACTIV-MT matches with the characteristic of the engine and can be used as5 and 6-speed MT and provides compact shift mechanism and geartrain structure that accommodateswide torque range. The transmission achieved outstanding environmental and safety performance andexcellent shiftability that enables drivers to maneuver the vehicle as they intend.1.はじめに「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」の実現を目指し新開発した,新型6速,及び5速小型マニュアルトランスミッションSKYACTIV-MT(F66M-R型,F65M-R型)の主要技術の概要について紹介する。容量アップ及び,6速化に対応しながら5%の軽量化を実現した。1速,2速にはトリプルコーンシンクロ,3速~6速には,シングルコーンシンクロを採用した。また,リバース専用同期装置を廃止し,リバース操作時には,5速用の同期装置を作動させる構造とした。Fig. 1に外観図を示す。2.開発の狙いSKYACTIV-MTをデミオに搭載するにあたり,既存のSKYACTIV-MTの基本性能を継承しつつ,以下の3つの性能を更に高めることで,理想のトランスミッション(以下T/M)の実現を目指した。(1)小型・軽量化と低抵抗化による走りと燃費への貢献(2)意のままに操れる変速操作性の進化(3) NVH性能(静粛性)の向上3.構造と主要諸元3.1 F66M-R型(以下小型6MT)小型6MTは,並行2軸構造で,旧型デミオに搭載されていたF35M-R型(以下従来5MT)比,約52%のトルクFig. 1 Phantom View of F66M-R*1~4ドライブトレイン開発部Drivetrain Development Dept.-33-