ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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概要

マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)5.1軸受損失の低減小型MTは,セカンダリ軸への深溝玉/円筒ころ軸受の採用(前述)に加え,デファレンシャル軸に深溝玉軸受を採用し,軸受損失の最小化を実現した。適用する深溝玉軸受は,原則オープンタイプとし,一部使用条件の厳しい車種へはシール付軸受と併用可能とした。5.2オイル撹拌抵抗の低減必要な箇所へ必要な量だけオイルを供給可能な,オイルパス,ファンネル,オイルパイプ等の潤滑システムを開発し,従来5MT比,45%のオイル量低減と,撹拌抵抗の低減を実現した。特に,プライマリシャフト内のオイルパイプの仕様決定には,流体解析CAEを活用し,導出溝や吐出穴径・数量の仕様最適化を図った。Fig. 9にオイルパイプを通過する流体解析CAE解析結果の例を示す。Oil flowQinQ1Q2 Q3 Q4Q3(a) Section of Primary Shaft and Oil PipeQ4Fig. 10 Oil Flow Volume from Discharge hole5.3リバース専用シンクロの廃止前進走行時のリバースアイドルギヤ及び,リバース専用シンクロリングの回転抵抗を排除するため,選択摺動式のリバースギヤ構造と,リバースプレボーク機構を採用した。小型MTで新開発したリバースプレボーク機構は,リバース操作時に5速の同期装置を作動させることで,同期変速を可能とし,リバース専用シンクロを廃止した。Fig. 11にリバースプレボーク機構を示す。Pre Balk SystemQinQ1Q3Q4Q2Q3Q4(b) Fluid AnalysisFig. 9 Oil Flow in Oil Pipe by CAEFig. 10にオイルパイプ追加時の,シャフト穴からのオイル吐出量測定結果を示す。オイルパイプの設定により,オイル吐出量の均等・安定化が図れ,ギヤジャーナル部の耐焼付性能の確保とオイル量低減の両立が可能となった。Reverse Idle Gear 5Fig. 11 Reverse Shift Mechanism6.シフトフィール開発の進化小型MTは,従来SKYACTIV-MTで好評を得た,「ドライバの意のままに操作でき,小気味よいシフトフィール」のDNAを,継承・進化させた。特に,静的シフト操作特性の造り込みでは,機構解析CAEを活用,狙いとする荷重特性をよりロバストに実現できる部品設計を実現した。Fig. 12にユニットレバー上のシフト操作特性の実測値と解析結果を示す。th Synchronizing System-36-