ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
52/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている52ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報に変換し,ドライバにフィードバックするサイクルを示す。このインプット⇔フィードバックするサイクルで,アクセルを踏み加えた力やその勢いが,そのまま加速度やエンジンサウンドとして感じ取れることが必要であり,これが理にかなった自然な反応であると考える。それでは,理にかなった自然な反応とはどのような特性なのか,その考え方を少し掘り下げてみる。Fig. 1 Driver’s Expectation and Reaction2.2理にかなった自然な反応とはクルマを運転するときには交通環境(交通の流れ,登降坂,交差点など)を認知するとともに,その中でクルマをどのように運転したいのか(急いでいる,丁寧になど)のドライバの欲求にあわせてドライバは「これくらい」というイメージで操作を始める。本稿では加速度の大きさと,加速度の勢いへの「これくらい」を取り上げる。ドライバは足裏でアクセルペダルの感触を感じながら,「これくらい」をアクセル操作に反映し,操作に応じた加速度を発生させる。その加速度を自然でかつ,心地よく感じさせることが狙いの性能特性である。Fig. 2上段のイメージ図は,ドライバが大きな加速度を急いで要求するときの狙いを示し,アクセル操作にあわせて大きな加速度を遅れなく発生させる。Fig. 2下段のイメージ図は,ドライバが丁寧に加速度をあわせたいときの狙いを示し,ゆっくりとアクセルが踏み込まれ,踏込み量にあわせて遅れなく加速度を発生させる。Fig. 2 Aim of Driver’s Expectation and ReactionFig. 2の中にWaiting for accelerationと記載してあり“構えのタイミング”と称す。ドライバはクルマの運転経験から,アクセルを踏むと背中がシートバックに押され,頭部が後ろに持っていかれることを既に体得している。Fig. 3にイメージ図を示す。この既知の感覚からドライバはアクセルを踏む行為に無意識のうちに身構える。その身構えとは,頭部を支えるための首筋の緊張でありマツダでは“構え”と呼称している。アクセルを動かし始めて,首筋の緊張が始まるまでの時間は0.2~0.3秒で一定であり,その“構えのタイミング”に合わせて加速度を発生させることが,理にかなった自然な反応を実現する第一の必要条件である。Fig. 3 Acceleration Timing Expected by Driver (1)-43-