ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

Engine Speed.[rpm]Acceleration G[m/s2]マツダ技報No.32(2015)いように大きな加速度で進入したく,混雑した高速道路進入では本線の車両の前後車間を気にしながら正確に車間距離が保てる位置に進入したい。小さな加速度から大きな加速度まで正確にコントロールするには,アクセル操作に対して遅れなく加速度を発生させることと,アクセル操作量に対して連続的に加速度の大きさを変化させることが必要である。ところが,AT搭載車ではアクセルを踏み込んでいくとダウンシフトし,シフト動作の間の時間遅れが発生する。弊社ではこれまでもAAS(Auto Adaptive Shift)を採用して過去の走行状況判断により同場面のギヤ段位の適正化を行っているが,新型デミオではドライブセレクションの採用により,多種多様な走行状況がある中でもフィードフォワードによる走行ギヤ段位選択が実現できた。Fig. 11は高速道路進入シーンでのモード選択の“Standard”“Sport”を押した時の時間経過軸のデータを示す。“Standard”ではダウンシフトによる加速度の発生遅れがあり,またダウンシフト後に期待よりも高い加速度が発生している。“Sport”では,遅れなく期待する加速度が発生でき,より安心安全に,気持ち良く交通の流れに入ることができる。じさせる。そのためには,ダウンシフトをさせずに加速ができるトルク性能と,高いトルクを遅れなく使える応答性能を実現させ,新型デミオのSKYACTIV-Dに織り込んでいる。(1)ダウンシフトをさせずに走れる加速度の大きさFig. 12のAのラインは高速道路車速域での登坂勾配条件値を示す。SKYACTIV-DではD6段位のまま登坂巡航させるだけでなく,更なる登坂や加速までも可能とする余裕のある加速をさせるために,250Nmという2.5Lガソリン車に匹敵する高いエンジントルク特性を実現させた。Fig. 12 Max. Uphill Grade for New DEMIOFig. 13は高速道路での追い抜き加速における時間経過軸の加速度データで,HEV車やガソリンターボチャージャ車と比較している。グラフ中の加速度高さ(B)は高速道路の加速時に必要とされる加速度を示す。一般的には加速時にダウンシフトが発生し回転上昇を伴うが,SKYACTIV-Dでは低い回転数を保ち加速をさせる。また最大トルク前後のエンジン回転数を使用できるようにさせており,静粛性を保ったままで強い加速感を継続でき,余裕を感じさせている。BFig. 11 New DEMIO’s Direct Feel when Entering HWY3.3クラス概念を打ち破る(SKYACTIV-D 1.5)新型デミオでは「クラス概念を打ち破る」ことにチャレンジした。パフォーマンスフィールとしては,クラス概念を打ち破る余裕を感じる走りを狙いとしている。たとえば,高速道路で登坂に差し掛かった時にシフトダウンを必要としないため静粛性が保たれ,更にその状態から加速もできる。これらのことはクラス概念を打ち破るほどの余裕を感Time [s]Fig. 13 New DEMIO’s Improved Acceleration on HWY-46-