ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報(2)遅れのない応答性能ターボチャージャ付のエンジンで大排気量並みの余裕を感じさせるには,低回転域から期待される加速度を遅れなく発生させる必要がある。Fig. 14に市街地走行でよく使われる加速度高さ(C)を示すが,この加速度を所定時間内(D)で発生できれば遅れを感じることなく加速応答性が確保できる。また表中の破線は同一モードでの他銘柄車を含めたターボチャージャ付車の加速度上昇レンジを示す。新型デミオでは超小型VG(Variable Geometry)ターボチャージャの搭載による過給トルク応答性の向上を図った。加えて,加速応答性の要求レベルに応じた過渡トルク制御により,過給付車群の中で上位レベルの応答性能を実現させ,市街地でも余裕を感じながらの加速ができる。参考文献(1)井上,増井ほか:ドライバの構えと車の動きを一致させる(社外説明資料2013)(2)岡山ほか:新型デミオ用小型SKYACTIV-DRIVEの開発,マツダ技報,No.32,pp.28-32(2015)■著者■渡辺洋史田中健治藤岡陽一國分弥則山口俊行Fig. 14 New DEMIO’s Acceleration Response at Startup4.おわりにヒトがクルマのように高速で走りたいと願っても,ヒトの運動能力には限界がある。またクルマもヒトの期待にどこまでも応じてくれるわけではなく,新幹線のように高速で移動はできない。マツダの一貫した狙いである人馬一体を実現するには加速度高さなどの最大性能が高いクルマというよりも,必要とされる加速度高さの範囲で手足のように自然に扱えるクルマが重要で,本稿で記載しているクルマの応答性の狙いとその実現ユニットを新型デミオに織り込み実現させ,クラス概念を打ち破る性能にすることができた。この狙いのパフォーマンスフィールは,感覚的なことであるがゆえに,皆様にできるだけ分かりやすく狙いが伝えられるように,感覚的な言葉を織り交ぜながら執筆した。新型デミオを運転されるときに,クラス概念を打ち破るパフォーマンスフィールとして皆様に共感していただけると幸いである。-47-