ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
61/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている61ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)新型デミオ,CX-3は車両質量が軽く,上位セグメント車よりも構造をシンプル化できるとの考えのもと,クロスメンバの位置やスレッドランナの位置・長さ及び断面サイズを変動パラメータとし,実験計画法による構造最適化でベースモデルから大幅に構造をシンプル化した。結果,フロントフロアのNo.2クロスメンバを移動(かつ2.5クロスメンバと統合)し,スレッドランナの短縮化による軽量化を実現した(Fig. 15)。Base*Material SubstitutionGeometry Optimisation-6.7kgTS1.2GPa Steel -7.7kgHot StampStructural Foam etc.Shape OptimisationPerformance Maximising Sectionand Multi Load Path Concept-5.6kgMDO(Multidisciplinary Design Optimization)-11.2kgDesign Optimisation-3.5kg-0.9kg35.6kgNewDemioBreakdown of Lightweight Measures*Predecessor improving Performance with enlarged Body SizeFig. 17 Effect of Concept CAE4.性能と構造Fig. 15 Framework Optimization(3)前面衝突時の構造適正化に適用した事例フルラップ衝突のクラッシュパルスとオフセット衝突時のトーボード変形量を制約条件とし,最軽量な断面サイズを探索した。その結果フロントフレームの上下方向や,スレッドランナの左右方向への断面縮小が可能であることを見出し,2.0kgの軽量化を実現させた(Fig. 16)。4.1材料新型デミオはタイ・メキシコなど世界各地の生産拠点で製造するため,ホットスタンプ(1800MPa級)は調達性の関係よりバンパビームへの適用に留めたが,マツダ初の採用となる1180MPa級ハイテンを代表に,コールドスタンプハイテン材の使用比率を大幅に引き上げた。780MPa級以上の使用比率(質量比)は,先代デミオ10.6%に対し30%とし,高強度発泡充填材の新規開発材料(4.3側面衝突性能欄参照)の採用により,軽量化を追求した(Fig. 18)。CX-3もほぼ同様のハイテン使用比率とした。Fig. 18 Application Rate of Sheet MetalFig. 16 Parametric Analysis Application Exampleこのような適用を車体各部に行い,形状最適を行った。60000回に及ぶ計算や新設計コンセプトの適用により新型デミオでは35.6kgの軽量化効果を生み,Body In White(BIW)の軽量化目標を達成した。特に性能最大化断面とマルチロードパスコンセプトの適用や構造最適化が大きな割合を占めている(Fig. 17)。4.2前面衝突性能先代デミオはシングルロードパスとスクエア断面のフロントフレームのコンベンショナルな構造を採用したが,新型デミオとCX-3では,サスペンションクロスメンバにエクステンションメンバとクラッシュカンを設定することでロードパスを追加し,効率的なエネルギー吸収が可能な十字型のクラッシュカンとフロントフレームを採用した。また衝突時にサスペンションクロスメンバを離脱させクラッシュストロークを拡大する構造を採用した。上記構造を採用することで,4.7kgの軽量化を実現した(Fig. 19)。-52-