ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報また曲げない部位は変形防止ビードを設定することで,リヤサイドレールの変形を効果的にコントロールできる構造とした(Fig. 21)。Fig. 19 Multi-Load Path4.3側面衝突性能SKYACTIV-BODYの思想の反映によりNo.3クロスメンバは閉断面とし,多稜線化によるサイドシル間の結合強化を行った。更に,先代デミオでは2本あったフロントフロアのクロスメンバを統合し,最も効率のよいBピラーの根元に配置することで,目標性能を落とすことなく,2.3kgの軽量化を実現した。またBピラーには,新たに技術開発した高強度発泡充填材を採用した(Fig. 20)。これは,側突バリアが侵入する際に最も応力がかかるベルトラインを補強し,衝突荷重を部材の広い範囲に分散させることで局部座屈を抑えることが可能で,スチールでの補強比で1.0kgの軽量化を実現した。Fig. 21 Bending Concept4.5歩行者保護性能(1)脚部の保護ロアレッグサポータとバンパビームの前に設定したエネルギーアブソービングフォームで同時に脚部を押すことで,膝の靭帯の傷害の抑制に効果的な構造にした(Fig. 22)。(2)頭部の保護一体型のS字型カウルパネルを採用し,インパクト時にこのカウルパネルが上方から折りたたまれる挙動にコントロールすることで,頭部傷害の抑制に効果的な構造とした(Fig. 22)。また効果的な補強を追加することでロードノイズ性能とも両立させた。Set around Belt-line of B-Pillar.Reinf-B PillarPillar-B_INFRAME-SIDE,OUTPanel-Door_FPanel-Door_RFig. 20 High Strength Structural Foam4.4後面衝突性能クラッシュスペースが限られるコンパクトカーでは一般に高速後突の対応が難しく,また一般的にリヤサスがトーションビームアクスルの場合,高速後面衝突時にロバスト性を確保するのが難しくなる傾向がある。限られたクラッシュスペースでロバストに高速後突に対応させるには,保護する領域とクラッシュさせてエネルギー吸収する領域を分け,モードコントロールを行う必要がある。新型デミオではエネルギー吸収を行いつつ,ロバスト性を持った構造にするために,3か所にクラッシュビードを設定し,リヤサイドレールを横に曲げるようにした。Fig. 22 Pedestrian Protection4.6操縦安定性車体の剛性感の開発に当たり,従来の静的剛性やローカルスティフネスに代わる新たに二つの指標を設定した。(1)箱感実車の走行評価で,コーナリング時に路面からタイヤに入る荷重の変化を時系列で測定した。その情報を元に,入-53-