ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報i)λ*≦λe *の場合,座屈耐力の式MMp?σ? ?σ? ? ???? ??? ?e?????1? ?1YPTS?bσTS? ?t kE?0.9? ?e??? ? 1ここで,σYP:降伏応力σTS:最大引張応力k:座屈係数E:ヤング率b:板幅t:板厚ii)λ*≧λe * /αの場合,弾塑性座屈の式Fig. 2に,式(1)~(6)に基づき算出した1,180MPa級高張力鋼板(σYP=777MPa,σTS=1,199MPa,E=205,900MPa,質量密度ρ=7.6g/cm3 ?M ?p??(5)Mp ??3??1?? ? ?Increasepe2?(6)the BucklingCoefficient k,板長さ=150mm)の曲げ座屈耐力Momentを質量Massにより除した質量効率を示す。材料特性一定のもとに質量効率を向上させるには,断面幅bの拡大により質量効率を向上させた上で,板厚t,もしくは座屈係数kの増大により全塑性モーメントMpからの低下率を低減することが有効であると分かる。しかし,板厚tの増大は軽量化,板幅bの増大はレイアウト成立性を考慮すると設計が困難である。一方,座屈係数kは,板のアスペクト比,荷重条件一定の場合には,板の支持条件によって決定する因子である。従って,板の曲げ座屈耐力の質量効率を向上させるため,板の支持条件の工夫による座屈係数kの増大が有効な方策である。理由は,式(1)のα-1が式(2)より負の値となるため,式(3)よりkを大きくすると,λ*の値を小さくでき,結果M/Mpを1に近づけることができるためである。ここまで述べてきたように,マツダのフレーム開発において,板の曲げ座屈耐力の向上は,板幅bをできるだけ大きくした上で,板の支持条件を工夫し,座屈係数kを増大させる方策で進めており,本田ら(4)が報告しているように支持条件をFig. 3に示す断面形状により実施している。しかし,更なる高張力鋼板の高強度薄板化は,断面が座屈しやすくなる。そこで,断面形状に加え,より一層の座屈係数kの向上を図る手段として充填材フレームの開発に取り組んだ。Upper Plate(1)(2)(3)(4)Moment / Mass (kNm/kg)20151050Better0 0.02 0.04 0.06t/bb=75mm,k=27b=75mm,k=5b=50mm,k=27b=50mm,k=5Fig. 2 Mass Effectiveness of Bending Buckling StrengthSupportConditionLoadingConditionAspect RatioCross Sectional Shape (4)InternalReinforecementAddSteel PlateStructuralFoamFig. 3 Technique to Increase the Buckling Coefficient k2.2座屈係数kを満たす効果と適値(1)充填材フレーム構造充填材フレームはFig. 4に示すアウタパネル・レインフォースメント・インナパネルの3枚の鋼板から構成される。フレーム曲げ強度の質量効率の向上を図るには,2.1からレインフォースメント縦面の端部拘束による座屈係数kの増大が有効である。充填材は,Fig. 4に示すアウタパネルとレインフォースメントの板間を充填し,充填材と各鋼板とを接着し,端部を拘束する補強効果を得る。フレーム縦面を拘束する上で,上端にRを持つ稜線部(Fig. 4のA部)は変形起点となり強度は低下する。また,充填材と鋼板との接着面が剥離することで拘束力が大きく低下する。そのため,まずはフレーム内部の変形挙動を把握できるCAEを用いて,剥離現象を再現させ,次にフレーム縦面と稜線部の補強箇所に着目して,質量効率が最大となる充填量を明らかにした。Outer PanelAt=constantAStructural FoamVertically PlateReinforcementLower PlateFig. 1 Section of FrameInner PanelFig. 4 Section of Frame Reinforced Structural Foam-61-