ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
71/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている71ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)(2)接着界面の剥離挙動を再現できるCAE手法の構築CAEは,解析ツールとしてLS-DYNAを用いた。充填材の剥離現象は,Fig. 5に示すフレーム内の充填構造を模擬したサンドイッチ試験から,Fig. 6に示す粘りを伴ってから完全剥離に至る。従来のCAEは,境界条件の設定が接触する面同士が干渉した量に応じて反力を生じるAutomatic Surface to Surfaceであり,この粘りを再現できなかった。そこで,接着界面に一定荷重が生じた後に,鋼板と充填材の相対変位の大きさにより徐々に伝達荷重が減少し,完全剥離に至る境界条件とすることで,粘りを再現した。この境界条件は,実部品レベルでも剥離挙動を再現でき,曲げ強度の予実差を10%から5%以下へと精度を向上させ,以降に述べる検討(2.2(3)と4.1)に適用した。Load Structural FoamSteel PlateSupportFig. 5 Sandwich Test PieceDelamination Start Delamination CompleteLoad (kN)AdhesivenesDisplacement (mm)Fig. 6 Delamination Behavior for Sandwich Test⊿Moment /⊿Mass (kNm/kg)10BetterMax Point281.761.4x=041.1302700.800.510 30 50 70FrameFilling Location (mm)OnlyBuckling Coefficient kFig. 7 Range of Filling Location and Mass Efficiency3.充填材の材料開発3.1開発の狙いと目標特性Bピラー等に充填材フレーム構造を取り入れる際に,設計の制約や生産性を満たす主要要件は,以下の3点とした。特にCの観点から,充填材のタイプは,過去に実績のあるマツダで使用した軟質シートではなく,成形タイプの充填材開発が必要である(Table 1)。A.板間隙を確実に充填するために2倍の高発泡率B.衝突性能を満足する圧縮強度C.組み付け時の作業容易性や位置ずれが生じないことTable 1 Comparison the Features of the Structural FoamType Flexible MoldingAppearance(3)充填材による効果と適値フレーム縦面の拘束に必要な充填範囲とフレーム強度の質量効率の関係をFig. 7に示す。充填範囲は,縦面の拘束に影響しない上面の稜線R止まりを起点x=0とし,徐々に範囲を下面に向けて広げている。また,フレーム強度の質量効率は,充填材の追加質量⊿Massと,フレームの曲げ強度の向上代⊿Momentの商とした。座屈係数kは,式(1)~式(6)とフレームの曲げ強度結果から算出した。結果,最も質量効率が高いのは,拘束端部となる縦面の稜線R止まりまで充填した範囲x=0~30であり,座屈係数kは補強なしのフレームから3倍以上に向上した(Fig. 7のMax Point)。つまり,縦面の拘束は,稜線部(Fig. 4のA)を支持,補強することで十分であり,それ以上の追加補強は,充填材を増量した質量ほどフレーム強度の向上が得られないと分かった。StorageManufactureEfficiencyTemperatureControlEase ofassemblyAssemblyPositionHighStrengthHighFoamingNeedBadVariesBoth EasyNo NeedBetterNot VaryBothNot Easy-62-