ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報く新しいネームプレートで導入するCX-3は,あえてカテゴライズするならクロスオーバであるが,既存のセグメントに当てはめて開発したつもりはない。一般的には車型やボデーサイズがお客様のライフスタイルを規定するかのような既成概念が形成される傾向がみられる。マツダが,CX-3で目指したのは,この既成概念の打破であり,これからの時代にもっと最適な「ライフスタイルのクロスオーバ(融合)」を提供する新しいクルマを造ることに挑戦した。2.チャレンジと志Fig. 2 Essential Values of CX-3No.32(2015)CX-3の開発で掲げた志は「次の時代のスタンダードの創造」である。車型やボデーサイズから連想されるクルマの使われ方の既成概念を覆し,どんな場所や使用シーンにおいても,お客様の創造的なライフスタイルをサポートするクルマ造りに挑戦した(Fig. 1)。KV1新ジャンルを彷彿とさせる魅惑的なデザインKV2都市生活のフィールドを広げる移動基地KV3純粋に楽しめる自由な走り都市生活で機動性を発揮できるコンパクトなサイズの中に,クルマの持つ本質的な魅力を一台に凝縮させた。このクルマで時代を切り拓き,多くの人に感動していただきたい。この商品コンセプトには,その想いを託している。4.商品特徴Fig. 1 Aspiration of CX-33.ターゲットカスタマとコンセプト3.1ターゲットカスタマ情報とモノがあふれる時代。何が大切で何が不要なのか,その見極めも難しくなっている。CX-3は30代の「時代の最先端を行くカスタマ層」をターゲットとした。30代は,独身,結婚,出産と,ライフステージが大きく変化する。彼らは,そんな変化の中,本質を見極める目を持ち,先鋭的なライフスタイルを送り続けたいと考えている。こういった人たちがクルマに求める本質を(1)先鋭的なライフスタイルが表現できること(2)純粋に運転を楽しめること(3)家族と楽しく移動できることの三つとし,既成概念や常識に捉われず,この価値の実現に徹底的にこだわり抜くことで,次の時代のスタンダードを生み出したいと考えた(Fig. 2)。3.2商品コンセプト商品コンセプトは,『街も郊外も自由に純粋に楽しめる,型に捉われない先進先鋭のクロスオーバ』とし,マツダが提案するCX-3のキーバリュー(KV)を以下3つとした。4.1 KV1~新ジャンルを彷彿とさせる魅惑的なデザインCX-3で目指したデザインの表現は「ジャンルの枠を超えた存在感」。美しさの本質をマツダの魂動デザインで描き直すことをテーマに取り組んだ。その実現に向け,最新の魂動デザインによる,力強く生命感に満ちた彫刻のような造形の中に,もてる感性の全てを注ぎ込んだ。「既成概念やヒエラルキに縛られずに,いまの時代を美しく駆け抜けるカタチを現実のモノに!」この想いは,妥協なく造り込んだショーカーの存在感に迫るプロポーション,要素を極限までシンプルにすることで実現した凛とした表情,徹底したこだわりが生み出す,引き込まれるようなディテールにより,比類ないスタイリッシュな仕上がりとなって現れている。これらは,製品という枠を超えて,アーティストが自分の作品に込める思いとなんら変わりない。(1)エクステリアデザイン魂動デザインのDNAである「生命感のあるダイナミックな動きの表現」を更に研ぎ澄ませるイメージで進化させ,シャープさとスピード感を高めた造形とすることで,究極にスタイリッシュなデザインを追求した。エクステリアは,ボデー前半部の伸びやかな塊と,力を包み込んだような強さを感じさせるリヤ周りの塊,そしてAピラーを後ろへ引き,Dピラーをブラックアウトとしたスリークなキャビンという三つの基本要素に絞り込み,その上で,それぞれの塊を緊張感のあるエネルギッシュな基本の面で構築している。そしてそれらをつなぐ面をドラマチックに変化させる-72-