ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報クロスオーバーの車高の高さを活かし,フロントノーズは通常のパッセンジャーカーより高く設定し,ボリューム感のある自信に満ちた佇まいにした。フロントグリルには7本のフィンがあり,先端をシルバー塗装(ハイグレードのみ)にしたことで,マツダシンボルから横方向へと密度をもって広がるエネルギーと,精緻な造り込みを感じさせている。ライセンスプレートはロア開口部(グリル外)に置かれ,グリルの精緻で力強い印象を損なうことがないようこだわった,新世代商品の証であるシグネチャーウイングは,削り出された金属の強さをイメージし,全身に漲るスピード感のスタートポイントとして骨太かつ立体的に造形した。そのシャープなラインはスリークなLEDヘッドランプに一体化し,夜間にはランプ内のライティングシグネチャーと直線的につながって強烈に個性を主張している。Fig. 4 Front View2.4ボディーデザイン新世代モデルに共通の,大きく後退したAピラー位置に加え,通常はタイヤセンターの真上に置くフロントフェンダーの頂点をAピラーの付け根にまで後退させたことで,力強く伸びやかなボンネットのシルエットを創りだし,前へと進むスピード感を強調している。またAピラーは付け根部分が細く上へ行くほど太くなる形状として,キャビン外観に軽快感を与えている。Dピラーはウインドウと一体感のあるブラックとし,ルーフサイドラインの動きを止めることなくボディー後方へ解放することで,伸びやかさをより強めた。またドアミラーの直後を境として,緩やかなV字を描いて後方へ駆け上がるベルトラインにより,グリルから始まってリアオーナメントまで突き抜ける,クルマ全体の動きの軸を構築した。同時に,リアクォーターウインドウにより,タイトなキャビンのイメージと優れた視界を絶妙なバランスで両立させた。サイドビューを構成するキャラクターラインと,面造形の断面形状はすべて,始点では鋭く立ち上がり,ピークを過ぎると撓めた力を穏やかかつスムーズに開放するような,緩急をつけたスピードの表現で統一した。その余韻をボディーの外にまでつなげるイメージでデザインすることで,実際のサイズ感を圧倒的に上回る伸びやかさを演出した。更に,前後フェンダーとサイドシルのブラックのガーニッシュとボディーカラーとの対比によって,その前後方向への伸びやかさをより一層強調している(Fig. 5)。Fig. 5 Side View2.5リアデザイン通常リフトゲートもしくはバンパー下端に配置されることの多いライセンスプレートを,リフトゲートと同色のバンパー上部にリセスを設けて配置し,立体的かつすっきりとしたリフゲート面と,非常に短いイメージのリアオーバーハングを実現した。またライセンスプレートの取り付け段差を利用し,カメラやスイッチ等のリフトゲートに求められる機能部品のすべてを視線から隠れる所にレイアウトした。ゲート面とバンパー面とのパーティング段差を2mm以内に抑えるという高精度な仕上げ品質と相まって,連続感とクリーンな印象が際立つリアエンドデザインを実現した。エグゾーストパイプは左右2本出しとして,力強さとスポーティさを強調し,更に,ブラックアウトしたDピラーによってサイドウインドウからバックウインドウへのつながりを持たせ,キャビンをガラスで包み込むような造形としたことで,Dピラーの存在感を消したキャビンの抜けの良いイメージを際立たせている。こうした造形と,ボディーサイドから連なるショルダーをしっかり感じさせるボリューム感によって,他に類のない圧倒的な塊感と力強いスタンスを感じさせるリアビューを造り上げた。Fig. 6 Rear View-79-