ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報2.8サイドガーニッシュ大径タイヤの力強さを強調する,幅広の前後ホイールアーチモールをブラックとして,ボディーサイド下部にはそれをつなぐ大胆なブラックサイドガーニッシュを採用。ボディーカラー部とのコントラストにより,前後への伸びやかさを感じさせる効果をより一層強調した。ガーニッシュの上端キャラクターはリアドアの中程へ向かってキックアップした後,リアホイールアーチに向かってキックダウンする意匠を与え,全体の動きの躍動感をサポートしている。更にハイグレードモデルでは,サイドシルガーニッシュの高輝度シルバー塗装のブライトモールディングを通し,スピード感とクオリティー感を高めている(Fig. 10)。Fig. 10 Side Garnish Design2.9キャビンキャビンはピラー類をすべてブラックとし,ウインドウを連続したガラス面に見せている。特に最後部ではブラックのドアサッシュとDピラーガーニッシュを設定。段差を極力少なくするパーツ構成や見せ方に留意しフラッシュな印象に仕上げ,リフトゲートウインドウまで滑らかにつながるようにしたことで,「後方へと抜けて行く開放的で伸びやかな動き」を強く感じさせている。またベルトラインがリアフェンダーのピークへ向かって上昇するのに対し,ルーフラインをDピラーの上で少し下降させてリアフェンダーへの塊をフォローするイメージのアクセントをつけ,塊のまとまり感も演出した。これは同時に単調になりがちな6ライトウインドウのグラフィックに,リズムを持たせるという効果も持たせている(Fig. 11)。3.インテリアデザイン3.1心地よくスタイリッシュなインテリアCX-3の室内空間の基本構造は,プラットフォームを同じくするデミオと多くのパーツやインナーモジュールを共有している。例えばインストルメントパネルは,CX-3とデミオそれぞれのインテリアデザインの要求をともに満たすことができるカウル(インパネ前端部)高さを決定するまで,双方のデザイナーが検討を重ねて最善の解を追求して造り上げたものだ。そうした基本構造の諸元をベースとしながら,CX-3では斬新なエクステリアデザインに呼応する独自の世界観を表した,新ジャンルにふさわしい先鋭的なインテリアデザインの創造を目指した。エクステリアに呼応する先鋭的な造形と手造りの質感という相反する要素のコントラストを活かし,これまでにないスタイリッシュさの実現を,デザイン開発のテーマとした。室内の造形はエクステリア同様にシンプルでスピード感のある動きの表現に統一し,伸びの良さと連続性を追求。同時に,既成のコーディネートの概念にとらわれず,色や素材の選択は内装パッケージごとに徹底的に吟味し,視覚にも触覚にも上質で心地よく感じられるよう,クラフトマンシップにあふれた仕立てに注力した(Fig. 12)。Fig. 12 Interior Overall View3.2包まれ感と解放感を融合した空間インパネからドアトリムへのラウンドなつながりを生むキャラクターラインと高めのベルトラインにより,ほどよい包まれ感を乗員に提供。ドアサイドのエリアでは,分厚いドア断面を活かした彫りの深い立体造形で動きを表現しながら,その上部のグラスエリアでは視覚的にも広さを感じる空間造形を図り,心地よさを高めている。ドライビングに必要な視界はもちろん,6ライトのキャビンならではの開放感を活かし切るため,視認性を高めながら視覚的な圧迫感を排除したピラートリムの造形や,トップシーリングとC・Dピラーの色を合わせることで生まれる視覚効果などを採り入れ,エクステリアのキャビンデザインに呼応した,抜けの良い空間イメージを創り上げている(Fig.13)。Fig. 11 Cabin Design-81-