ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
- ページ
- 94/306
このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている94ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている94ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報特集:CX-315新型デミオとCX-3の空力性能開発Aerodynamic Development for New Demio and CX-3中田章博*1伊川雄希*2川北正寿*3大平洋樹*4Akihiro Nakata Yuki Ikawa Masatoshi Kawakita Hiroki Ohira李曄*5岡田義浩*6岡本哲*7田中松広*8Ye Li Yoshihiro Okada Satoshi Okamoto Matsuhiro Tanaka要約新型デミオとCX-3は新世代商品群のBカーとして,共通のプラットフォームから開発した。空力開発としては低燃費実現のため,空気抵抗の低減に注力して取り組んだ。プラットフォームの空力開発では燃費低減に大きく寄与する車体の軽量化実現のために,空力付加物の設定を必要最小限として,空気抵抗を低減させることを目指した。また各車種のユニーク要素であるアッパーボデーの空力開発では,魂動デザインのコンセプトである「生命感のある動き」の表現を最大限に活かしながら空気抵抗を低減することを目指した。以上により,新型デミオとCX-3の空力開発は非常に難しいタスクであった。この難易度の高いタスクを実践するために,空力シミュレーション(以下CFD)を開発ツールとして本格適用することで,CX-5,アテンザ,そしてアクセラの開発で培ってきた空気抵抗低減技術と開発プロセスを更に進化させた。そして,この進化させた技術とプロセスを適用することで,新型デミオとCX-3はクラストップレベルの空力性能を実現できた。SummaryNew Demio and CX-3 were developed from a common platform as new generation B-cars. Aerodynamicdrag was reduced through the aerodynamic development in order to enhance fuel economy performance.In the process of the aerodynamic development of the platform, in order to realize reduction of car weightwhich contributes to fuel economy, the volume of aerodynamic parts had to be minimized. Also, the aerodynamicdrag had to be reduced while realizing the Mazda“Kodo”design concept of expressing“dynamicand lively motion”. Therefore, the drag reduction developments of New Demio and CX-3 were quite difficulttasks.To work out them, we worked on the innovation of the aerodynamic development process and aerodynamicdrag reduction technology by the full use of computational fluid dynamics (CFD). By applying thisdevelopment process and technology, New Demio and CX-3 achieved top level aerodynamic drag amongthe same class vehicles.1.はじめに近年,燃費向上やCO2削減は自動車開発の重要課題となっている。これに大きく寄与する空気抵抗の低減が空力開発における重要な目的となっている。一方で,空気抵抗は車体形状に依存するため,商品性や他機能との両立が開発課題となる。特にマツダはデザインに強いこだわりを持っている。そのため,車種開発では魂動デザインで表現したいコンセプトを最大限に実現しつつ空力性能を高めることが使命となる。更に,燃費低減に大きく寄与する軽量化実現のために必要最小限の空力付加物の設定で空気抵抗を低減させる必要があった。これらのチャレンジをやり遂げ,クラストップレベルの空力性能を実現するために,これまでの新世代商品開発で培ってきた空力開発のプロセスと空気抵抗低減技術を更に進化させた。本稿では,新型デミオとCX-3の空力開発のコンセプトとプロセス,そして空気抵抗低減技術について述べる。*1~8車両実研部Vehicle Testing & Research Dept.-85-