ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報である。・風洞実験用の実車モデル作成・形状変更に検討時間がかかるため,デザインや他性能の検討に対してタイムリーな提案ができず,整合取りに時間がかかる。そこで,更なる低Cd値の実現に向けて,流れを詳細に見える化でき,モデル作成,形状変更が容易な利点を持つCFDを主体にした開発に切り替えることを検討した。CFDを開発のメインツールとするには,Cd値の予測精度を高めることに加えて,要素技術開発の対象としている渦構造の再現が重要になる。そこで,CX-5,アテンザ,アクセラの開発において,CFDと風洞の流れ場を比較検証し,メッシュの解像度と乱流モデルを最適化する活動を並行して行った。特に,境界層メッシュのサイズと厚み,そしてホイールハウス周りの空間メッシュの解像度を上げることが精度向上に効果的であった。これらの検討の結果,Cd値の予測誤差を3%以下(Fig. 4)とし,他社が報告している予測精度(5),(6)と同等以上に優れたものにできた。また渦構造の再現についても一括企画で注力している領域については信頼に足るレベルまで向上させることができた。更に解析の自動化や計算リソースの整備により開発のスピードに追従できるまで解析速度を高めた。このようにCFD技術を一括企画開発に適合するように育成することで,開発のメインツールとして活用できる環境を構築できた。利点を活かし短期間で詳細な渦構造の分析を行うことでスペックを決定した。その結果,デザインのコンセプトを実現し,なおかつ必要最小限の空力付加物で渦抑制のコンセプトを実現することができた。これらの検討の詳細は次章以降で述べる。SKYACTIV Platform for C- and CD-cars・Short overhang・Light vehicle weight・Minimization of aeropartsSKYACTIV Platformfor SubcompactFig. 5 Aerodynamic Development Factors ofRide height of new Demio・Design・Design・Ride height・Tire size・Floor layoutNew Demio and CX-3Ride height of CX-3New DemioCX-3(a) Difference of ride heightTire size of new DemioTire size of CX-3(b) Difference of the sizeRear floor layout of new DemioRear floor layout of CX-3Fig. 4 Correlation Diagram of Cd Valuebetween CFD and Mazda Wind Tunnel2.3新型デミオ,CX-3の開発プロセス新型デミオとCX-3の開発はこれまでに述べてきた新世代商品群の開発で培った空気抵抗低減の共通コンセプトと開発プロセスを踏襲し,精度を向上したCFDをスペック決定のメインツールとして活用した。本開発はコンパクトカーの一括開発にて行った(Fig.5)。まずコンパクトカー用のプラットフォームを開発した。この開発でもCX-5,アテンザ,アクセラに採用したCDカー用のプラットフォームと同様に,渦を抑制できる基本構造を織り込んだ。そして,新型デミオの個別要素であるデザイン開発を行った。これらの開発では,CFDの(c) Difference of rear floor layoutFig. 6 Difference of Flow Structurebetween New Demio and CX-3そしてCX-3の開発については,新型デミオをベースに渦構造に変化を及ぼすユニーク要素についてのみ開発を行った。この開発においてもCFDを最大限に活用した。具体的には,新型デミオとCX-3の渦構造の相違点とその根本原因を詳細に理解するために,構造の違いを一つ一つ段階的に再現したモデルを作成し,渦構造の変化を分析した-87-