ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報AA'VelocityVelocityLow lowHighLowHighUpper Sec. A-A'Sec. Sec. A-A'FrontBlow up up flow flowshape with flat flat plane planeshape with slope plane(a) Fuel tank cover without optimization(b) Fuel tank cover with optimizationFig. 9 Velocity Contours and Vectors at Left Sideof Fuel Tankべた後流を制御して一箇所に集約させ,空気抵抗を大幅に低減するコンセプトの実現を目指した。これに際し,主に以下二つのデザインコンセプトとの整合課題に集約して開発に取り組んだ。・アッパ領域のスタイリングとの整合:迫力あるリヤビューを実現するため,バックウィンドウが前後方向に前傾したスタイリングを採用した。これは空気抵抗を増大させる後流の渦を誘起する方向である。よって,この渦の抑制が必要であった。・タイヤ大型化との整合:力強いデザインの実現に加え操縦安定性向上のため,幅,径ともに大きいタイヤを採用した。これは,タイヤ周りで生じる渦が大きくなる方向である。よって,この渦の抑制が必要であった。これらの課題を解決するために,検討した結果を述べる。Fig. 10 Mass Flow Passed through Front Grille4.2アッパ領域での空気抵抗低減技術アッパ領域では,車両周りの剥離などによる乱れ,渦の抑制,車両後方での後引き渦の抑制を行った。具体的に形状を改善した箇所をFig. 12に示す。特に課題であった,バックウィンドウを前傾させたスタイリングと空気抵抗低減の整合について報告する。Fig. 13に示すように,バックウィンドウを前傾させたスタイリングにより,リヤピラーからバックウィンドウに流れが巻き込み,この領域で空気抵抗が増大していた。この渦の抑制のため,本箇所にリヤサイドスポイラの設定を検討した。CFDによる流れ現象の見える化,検討期間の短期化の利点を活かし,デザインテーマを崩さないように,見栄えや取り付け構造と整合のとれた必要最小限の形状を効率的に見出すことができた。その結果,バックウィンドウを前傾させたスタイリングを活かしつつ,Fig. 14のとおりバックウィンドウに巻き込む流れを抑制し,Cd値を1%低減することができた。Front top end offront bumperHeadlampFront pillarRear pillargarnishRoof spoilerRear side spoilerRear pillar(a)Before duct geometry optimization (b)Optimized duct geometryFig. 11 Flow Streamlines around Front Grill4.新型デミオの空力開発Fog lampbezelFront bumper cornerDoor mirrorFig. 12 Aerodynamic Optimization on Upper Body ofNew DemioRear combination lampBottom end ofrear bumper本章では,新型デミオのユニーク要素であるデザイン領域に織り込んだ空気抵抗低減技術について述べる。4.1新型デミオの空力開発上の課題デザインのコンセプトを最大限に実現しつつ2.1節で述-89-