ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
- ページ
- 111/188
このページは マツダ技報 2016 No.33 の電子ブックに掲載されている111ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2016 No.33 の電子ブックに掲載されている111ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)ネルギーは,壁近傍の粘性の影響を排除して乱流起因の乱れの影響について考察するために,式(3)に示す乱流エネルギーを摩擦速度の二乗で除したものである。遮熱壁の場合の??は,金属壁の場合のそれと比較して,粘性低層外縁部からバッファ域,乱流域にかけてその値が低いことが分かる。加熱壁上における壁乱流境界層の実験結果(16) ,(17)では,壁温度の上昇によって周囲の流体の密度の減少と動粘性係数の増加が同時に起こるが,密度の減少は速度の乱れ強さを増加させる方向に働き,逆に動粘性係数の増加は乱れ強さを減少させる要因として働くとしている。したがって,遮熱壁の近傍で無次元化した乱流エネルギーが減少したことからは,壁温度の上昇に伴う壁近傍のガス密度の低下よりも動粘性係数の増加の寄与が大きいことが推察される。Chamber WallNormalized Turbulence Energy k + [-]100μmFlow DirectionFig. 10 Micro Shadowgraph Image near Wall201510501.0mmL cam=198mmMetal WallHeat InsulatedWall0 1 10 100 1,000Normalized Distance from Wall Surface y + [-]Fig. 11 Normalized Turbulence EnergyDistribution near Wall (Lcam=198mm)(3)遮熱壁近傍のレイノルズ応力分布前項において,壁近傍の境界層内においても乱れの影響があること,そして遮熱壁の場合は壁近傍の乱流エネルギー??が抑制されることを示した。最終的にガスから壁へ熱が伝わる際には,ガスと壁の界面に生じる壁面せん断応力が重要な因子となる(18)。壁面せん断応力は,層流寄与項と乱流寄与項から構成され,乱流寄与項に相当するのが,式(2)に示すレイノルズ応力である。レイノルズ応力は,壁からの距離の重みづけ積分により,壁面せん断応力への寄与を表すことができる(19)。Fig. 12に,???? ? 198??におけるレイノルズ応力の壁からの分布を示す。これから,粘性低層外縁部からバッファ域にかけては,遮熱壁及び金属壁とではレイノルズ応力に差は見られないが,乱流域では遮熱壁の場合が金属壁に比較して低い値を示している。粘性低層からバッファ域にかけては,壁の摩擦の影響が強いために粘性によるせん断応力の影響が支配的となり,遮熱壁と金属壁の双方でレイノルズ応力に差が現れなかったものと思われる。しかしながら乱流域に入ったところから,粘性によるせん断応力の影響が相対的に低下するため,乱流起因のレイノルズ応力分布に差が出たものと思われる。前述のように,レイノルズ応力は壁からの距離の重みづけ積分により壁面せん断応力へ寄与するために,遮熱壁上の壁面せん断応力は金属壁上のそれに対して低下すると推測される。その結果,遮熱壁の場合は金属壁に比較して熱伝達率が低下し,壁温上昇も付加されることで熱流束が低減されたと考えられる。Reynolds Stress u'v' [m 2 /s 2 ]0.30.20.10.0Lcam=198mm Metal WallHeat Insulated Wall0 1 10 100 1,000Normalized Distance from Wall Surface yFig. 12 Reynolds Stress Distribution near Wall(Lcam=198mm)4.おわりに遮熱壁近傍の境界層内のガス速度の計測を行い,ガス速度から各種乱流特性値の算出を行うことで遮熱壁近傍の乱流構造が伝熱プロセスへ及ぼす影響について調査した。以下に得られた結果をまとめる。(1)高速μPIV計測法により,壁近傍の粘性低層外縁からバッファ層,乱流層におけるガス速度分布の計測が可能となった。(2)固体摩擦の影響が強い壁近傍でも微細な乱流構造が見られ,乱流起因の伝熱プロセスを検討する必要がある。(3)遮熱壁の近傍では,遮熱効果による壁温度の上昇に伴って壁近傍のガス温度が上昇し,壁近傍のガスの密度の低下よりも動粘性係数の増加の寄与が大きくなることで壁近傍の乱流エネルギーが低下する。(4)金属壁に対する遮熱壁近傍の乱流エネルギーの低下+ [-]-104-