ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)論文・解説20車車間通信のLCR・AFDモデルの開発Development of the LCR・AFD Model of the V2V強矢昌宏*2*1 *3山田秀行タンザカンHideyuki Yamada荒木純道*4Kiyomichi ArakiMasahiro SuneyaGia Khanh Tran要約車車間通信:V2V(Vehicle to Vehicle Communication)による安全運転システムの性能を向上するには,受信信号特性を高精度に把握し,通信品質を高めていくことが必要になる。時々刻々と移動しながら行うV2Vの動的な品質指標としては,単位時間当たりに受信信号レベルが閾値を下回る回数として定義されるLCR(Level Crossing Rate)と,受信信号レベルが閾値を下回る平均持続時間として定義されるAFD(AverageFade Duration)が重要となるが,実走行環境下におけるV2V特有のLCR・AFD推定モデルは確立されていない。本稿では,V2VのLCR・AFDをシミュレーションとフィールド実験により検証し,走行環境に依存する到来波角度プロファイルに着目することで,LCR・AFDを高精度に推定可能なモデルを開発した。これにより,目的とするLCR・AFDを達成するために必要となる信号レベル:SNR(Signal to Noise Ratio)の設計精度を従来に比べ3dB程度向上し、誤差1dB以内にできることを確認した。(第13回ITSシンポジウム2015投稿論文を一部編集し掲載,特定非営利活動法人ITS Japan許諾済)SummaryTo realize a safety driving system by V2V, it is essential to understand signal propagation properties for the purpose of improving communication performance. As indices of performance, LCR and AFD are two important factors to be evaluated in V2V. But, LCR・AFD estimate model peculiarto V2V under the run environment is not established. In this article, we theoretically derive LCR・AFD of the V2V to enable the estimation of LCR・AFD with high accuracy using the angle ofarrival profile in the established model. Then, it is able to determine design parameter necessaryto realize desired LCR・AFD within an error of 1dB. This is equivalent to 3dB improvement as compared with the conventional.1.はじめに交通事故低減を目的としてV2Vや路車間通信:V2I(Vehicle to Infrastructure Communication)などを活用した協調型安全運転支援システムの市場導入へ向けた動きが加速している。国内の700MHz帯V2Vシステムでは,出会い頭交差点など代表的な走行シーンに対して,事故防止支援を成立させるために必要な支援開始タイミングを元に,通信品質・通信エリア要件が共通ガイドライン(1)として設定されている。しかし,実用システムではあらゆる走行環境でも要件を満足できる高いロバスト性が必要になる。一方,V2Vの電波伝搬特性は走行環境により大きく変動する。そのため,走行環境ごとの受信信号特性を高精度に把握し,環境変化を考慮した通信品質設計が重要となる。これまでにも,V2Vにおける平均受信電力特性(2),(3),シャドーイング特性(4),(5),フェージング特性(6),(7)などの推定モデルは提案されているが,これらでは車両の速度・移動方向など動的挙動が考慮されていないため,実走行条件に適合した通信品質向上設計は困難である。車両の動的挙動まで考慮すると,受信信号の時間変動特性を把握する必要がある。この特性を表す指標としてLCRとAFDがある。これらを把握することで,走行環境変化に対する静的な特性変動に加え,走行環境ごとに,速度変化に伴い変動する通信品質特性の把握も可能となり,より信頼性の高いシステ*1~2技術研究所*3~4東京工業大学Technical Research CenterTokyo Institute of Technology-112-