ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

マツダ技報No.33(2016)論文・解説22鋼板/アルミ異材抵抗スポット溶接技術の開発Development ofSteel/Aluminum Resistance Spot Welding Process杉本幸弘*2*1田中耕二郎西口勝也*3Kojiro Tanaka Yukihiro Sugimoto Katsuya Nishiguchi要約年々高まる自動車の軽量化の要求に対し,マルチマテリアル車体を想定した鋼板とアルミニウムの抵抗スポット溶接技術の開発を進めている。その中で,鋼板に低融点で必要最小限の目付量の亜鉛めっきを施すことで,より高い強度が得られることが分かった。鋼板表面にめっきを施すことで,強度低下の要因となる鋼板の酸化被膜の影響をなくし,接合中のめっき成分の除去により健全に接合ができる。接合界面を詳細分析した結果,低融点,低目付量めっき材の場合,強度向上に適しているとされる厚さ1~2μmの金属間化合物層が,非めっき材や高融点めっき材に比べてより広範囲に形成していることを確認した。SummaryIn response to growing demand for lighter vehicles, we are developing steel/aluminum resistance spotwelding technology for the multi-material bodies. In that, the joint strength was found to be increased bythe application of zinc coating with a low melting point and minimum necessary amount on the steelsheet.Influence of the oxide film of steel sheets that have strength-weakening factors can be eliminated bycoating on steel sheets surface, and it can be obtained good joining by removing coat components atwelding. In case of low-melting-point and small amount coated steels, detailed analysis of the jointinterfaces shows that the strength-improving intermetallic compound layer in 1-2μm thickness wasconfirmed to be formed in wider areas than those in cases of uncoated steels and high-melting-pointcoated steels.1.はじめに1.1背景排ガス規制や燃費向上の観点から自動車の軽量化の要求が年々高まっており,車体のマルチマテリアル化技術の確立が必要となっている。マルチマテリアル化における主要課題の一つに異種材料の接合があるが,特に軽量材料として使用量の増加が予想されるアルミニウム(以下,アルミ)と鋼板との異材接合技術が重要となる。これまでに,マツダでは鋼板とアルミの摩擦撹拌点接合技術(Spot Friction Welding,以下SFW)を世界で初めて開発し,クロージャー部品に適用した。SFWはFig. 1に示すように回転ツールを金属表面に押し当てることで摩擦熱を発生させ,その熱と圧力により異材金属同士を固相接合する技術である。この方法の場合,鋼板表面の酸化被膜がアルミの直接接触を妨げるため,めっき鋼板を使用し,接合中にそのめっきを溶融させて界面から排除することで,鋼板酸化膜の悪影響を回避した(1)。参考として各種めっき材を使用した場合の接合強度の比較をFig. 2に示す。特定のめっき材を用いることで接合強度が大幅に向上することが分かる。一方,ボディーシェルを想定した場合,アルミ/鋼板/鋼板などの3枚組やウェルドボンドにも対応できる異材接合技術が必要との観点から,SFWの知見を活かしつつ,新たに鋼板とアルミの抵抗スポット溶接技術の開発に取り組んだ。*1~3技術研究所Technical Research Center-124-