ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)以上の結果から,めっき種の違いによりIMC層内のZn成分の有無という差はあるが,GAとEGで構成する化合物に大きな違いがないことが分かった。従って,めっき種による接合強度の違いは前述したIMC層の厚さと形成範囲に起因するものと考える。3.4めっきによる強度向上メカニズム鋼板とアルミのスポット溶接における鋼板表面のめっきの効果についてまとめた模式図をFig. 13に示す。強度低下の要因となるIMC層の粗大な成長や溶接チリの発生を抑制するため,入熱を抑えた場合,溶融が困難な鋼板表面の酸化被膜がアルミとの直接接触を妨げる。この問題に対して鋼板にめっき材を使用し,めっき成分を接合中に接合部外へ排出,もしくはアルミ内部へ拡散させて接合界面から除去することで,鋼板の新生面が露出する。これにより鋼板とアルミが直接接触し,IMC層を粗大に成長させることなく健全な接合が達成される。逆に界面にめっき成分が残存する場合は接合強度低下の要因になる。その点,薄目付けのEGはめっき成分の除去がGAよりも容易であり,接合強度向上に有効に作用したと考える。Fig. 14 Pattern of Current-Carrying in MultistepSteel/Aluminum Resistance Spot WeldingFig. 15 Effect of Multistep Welding Process toSteel/Aluminum Spot Welding Joint Cross TensileStrength5.おわりにFig. 13 Pattern Diagrams of Effect of Coating on Steel toSteel/Aluminum Resistance Spot Welding4.接合プロセスの改善車体用鋼板として一般的なGA材にも本技術を適用するため,めっきの作用や接合強度向上メカニズムに基づき,プロセスの改善を進めている。その一例として,接合界面からのめっき成分の排出促進を目的とした多段通電プロセスを紹介する。Fig. 14にその通電パターンを示す。これは十分な冷却時間を挟みながら段階的に高い溶接電流を通電させることで,溶接チリを発生させることなく,健全な接合領域径の拡大を図るものである。通電条件を制御することで,Fig.15に示すように特に強度低下しやすいGA材の場合の剥離強度についても改善が可能となる。今後,電極形状も含めた検討を行い,接合技術としての汎用性を高める。鋼板とアルミのスポット溶接において,鋼板に低融点で必要最小限の目付量のめっきを施すことで効果的に高い強度が得られることが分かった。鋼板表面にめっきを施すことで,強度低下の要因となる鋼板の酸化被膜の影響をなくし,接合中のめっき成分の除去により健全に接合することができる。接合界面を詳細分析した結果,強度向上に適しているとされる厚さ1~2μmの金属間化合物層が,非めっき材や高融点めっき材に比べてより広範囲に形成していることを確認した。加えて,通電条件の制御により高融点めっき材においても強度を改善することができ,より汎用性を高めることが可能となる。本研究の一部は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「革新的新構造材料等研究開発」の支援を受けて実施した。-128-