ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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概要

マツダ技報 2016 No.33

マツダ技報No.33(2016)核剤として働くことが確認できた。更に自動車用ブロックPPについても観察を行った結果,ホモPP同様に気泡を微細化できることが確認できた。3.2機械的特性機械的特性への効果確認として,自動車用のブロックPPを用い,初期板厚2.0mmから2.5mmにコアバック発泡した成形品の曲げ及び衝撃試験の結果をTable 1に示す。結晶核剤を添加することにより,通常PPの発泡体に対し曲げ強度を15%,曲げ弾性率を30%向上できることに加え,衝撃特性も最大衝撃力・パンクチャーエネルギーともに同等以上となることを確認した。Table 1 Mechanical Properties of Foamed SamplesPropertiesBendingstrengthFlexuralmodulusMaximumforcePunctureenergyUnitConventionalblock PPBlock PP withcrystal nucleating agentMPa 15.2 17.2MPa 694 915N 1825 1947J 10.9 11.8Fig. 3 Crystallization Behavior of Homo PP with/withoutCrystal Nucleating Agent機械的特性向上に結晶化度が寄与しているか確認するため,示差走査熱量計で融解熱量を求めた(Table 2)。その結果,融解熱量は核剤有無でほぼ同等なので結晶化度に差がないと考えられ,機械的特性の向上に関してこの影響は小さいと考える。Table 2 Crystallization Properties of Foamed SamplesPropertiesCrystallinity(Melting calorie)UnitConventionalblock PPBlock PP withcrystal nucleating agentJ/g 74.1 75.0Fig. 4 Foaming Behavior of Homo PP with/withoutCrystal Nucleating Agent次に,気泡構造の影響を確認するため,X線CTで結晶核剤有無で同じ発泡倍率の発泡体内部を観察し,3D形態計測ソフトで気泡径や空隙率を求めて比較した結果をFig .5,6に示す。スキン層からコア層にかけては,空隙率が急激に立ち上がって10%以上となる領域が通常PPに対し核剤ありはコア層側に約0.3mmシフトしている。また,板厚中央部(表面から1.0~1.5mm)に着目すると,核剤ありは気泡数が700倍以上も形成され,最大気泡径が10分の1以下となっている。これは,微細結晶化により気泡核生成が促進したことで,気泡成長を遅らせることができたためと考えられる。その結果,スキン層とコア層の境界にナノオーダーの超微細な気泡が形成されている。これが疑似的なスキン層として振る舞うことで,同じ発泡倍率でも発泡体の表層付近の剛性が向上し,曲げ及び衝撃特性の両特性が向上できたと推察する。-132-