ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)計的に精度を確認する。測定システムの精度が不十分である場合は,測定システム自体を一つのシステムとしてとらえ,DoMAICなどを活用して測定精度を改善する。3.5 Analyze(分析)フェーズ技術課題を解決する前段階として問題を定性的あるいは定量的に分析する。システムやプロセスを機能モデルやプロセスマップで見える化する。この時,後述するZoom-ZoomフェーズのTRIZやDesignフェーズの品質工学を効率的に適用しやすいように物質・場モデルや制御因子,誤差因子などを明確にした機能モデルやプロセスマップを作成する。これらの情報を使ってDefineフェーズで記載した品質特性展開,品質特性分析,背反特性分析を行い,技術課題の深堀を行う。品質特性の傾向が予測できない場合は必要に応じて実験計画法などによる予備実験を行って定量的な分析を行う。3.6 Zoom-Zoom(創造)フェーズこのフェーズでは技術課題を解決するためのブレークスルーとなるアイディアを創造する。まさにこのフェーズが技術開発のコアとなる。システムの創造は多分に固有技術に依存するところが大きく,手法を使えば万能的に必ず良い結果が得られるというものではない。しかしできるだけ人(開発者)の能力を最大限発揮できるような工夫が必要である。アイディアの創造にはTRIZ (4)を活用すると有効な場合がある。TRIZの一般的な活用プロセスはシステム固有の問題を一旦,TRIZの一般的問題に置き換え,TRIZがもっているさまざまな知識ベースを活用してTRIZの一般的な解決策を抽出する。そしてその一般的な解決策を参考にしてシステム固有の解決策を創造する。TRIZを活用するためにシステムがもつ物理的矛盾や技術的矛盾を定義する場合があるが,DefineフェーズやAnalyzeフェーズでQFDの品質表を活用して物理的矛盾や技術的矛盾を明らかにしておけば効率的にTRIZを活用することが可能となる。3.7 Design(設計)フェーズこのフェーズの目的は前のフェーズで技術課題を解決したシステムにおいてロバスト性を確保するとともに,目標に合わせるためのチューニングを行うことである。(1)ロバスト設計プロセスロバスト設計の基本的な考え方は技術開発時点で市場または後工程でのノイズに対してシステムの機能が安定して働くようにシステムを設計することである。ロバスト設計の手法として品質工学パラメータ設計(5)がある。(2)チューニング設計プロセスシステムが要求される仕様・目標に合うようにチューニングを行う。チューニングの手法としてはシステムに応じて相応しい方法を選ぶ。3.8 Assure(保証)フェーズこのフェーズの目的は大きく二つある。一つは開発した新しい技術やプロセスによって影響を受けるものに問題が生じないように最終確認を行い必要に応じて対策を打つことである。もう一つは開発した新しい技術やプロセスが従来のものに比べて市場で十分安定していることを確認することである。前者は一般的に故障モード影響解析(FMEA)などが使われ,後者は機能性評価という手法が使われている。FMEAはシートの空白を埋めることに集中してしまいがちだが,最低限,変化した部分とその部分によって影響を受ける周辺部分の故障モードを徹底的に検討することが重要である。4.おわりに技術開発は対象となるシステムがさまざまでなかなか決まった開発プロセスを構築しにくいが,今回,QFDの品質表をコアツールとすることにより,TRIZや品質工学を効率的に活用することができる汎用性のある技術開発プロセスを構築することができた。DoMAZDAモデルはパープルベルト研修と呼ばれるグリーンベルト研修の上位に当たる研修において教育し,新規製品や新規プロセスの技術開発プロジェクトに活用している。今後,更に目的を実現するために有効な新しい手法を導入したり,既存の手法を必要に応じてカスタマイズしたりしてより効率的なプロセスを構築していきたいと考えている。参考文献(1)ピーター・S.パンディほか:シックスシグマ・ウエイ,日本経済新聞社(2002)(2)大藤正ほか:品質展開法(1),日科技連(1990)(3) Project Management Institute:A Guide To TheProject Management Body of Knowledge,ProjectManagement Institute,Inc.(2005)(4)ダレル・マンほか:体系的技術革新(TRIZ実践と効用),創造開発イニシアチブ(2004)(5)中野ほか:上級タグチメソッド,日科技連(2009)■著者■山田洋史-140-