ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報特集:新型CX-92新型CX-9のデザインDesign of New CX-9木元英二*1Eiji Kimoto要約新型CX-9をデザインするにあたりマツダらしいプレミアム像を考えた。プレミアムといっても色々なプレミアムがある。今回ねらったのはマツダ流の“おごそかで品格のあるプレミアム”である。これを実現するために骨格の完成度を上げ磨きあげた。大陸の大自然に負けないダイナミックで力強い骨格を全精力を上げて作り込んで本物を追求した。また3列シートでありながら魂動デザインで追求しているロングノーズやコンパクトなキャビンも実現した。インテリアも骨格を重視。センターコンソールとドアトリムのSWボックスを大型化して土台とし,その上に薄くて軽快なインストゥルメントパネルを配置して低重心で安定感のあるダイナミックなインテリアとした。また本物素材を使ったエレメントを精緻なクラフトマンシップによって配置し,精緻感と高級感を表現。これらの施策により,これまでマツダが経験したことのない高質を知る顧客にも満足していただけるデザインが完成した。SummaryWe first thought about a Mazda-like premium image when we began designing the New Mazda CX-9.Among the many kinds of premiums, we aimed at Mazda’s way, stately and dignified premium. Indesigning the New Mazda CX-9, we put priority on refining its powerful and dynamic framework,eliminating all excess elements, and maximizing its potential in order to make it a genuine machine. Andwe were able to realize a long nose and a compact cabin, which KODO design is intended to achieve,despite being a 3-row seat model. For the interior, too, we put a focus on the framework. The stable anddynamic interior was realized by a low center of gravity, with a light, thin instrument panel laid out overthe foundation formed by a large center console and large switch boxes on the door trim on both sides. Inaddition, refined elements made of genuine materials were adopted in the interior with precisecraftsmanship. All these efforts made it possible to achieve a premium-quality design Mazda had neverexperienced before.1.はじめに初代CX-9は,2008年北米トラックオブザイヤーを受賞し, 3列シートのスタイリッシュなミッドサイズSUVのパイオニア的存在で市場評価も高い。新型CX-9はそのサイズ,車格からマツダのフラッグシップであり,マツダ新世代商品群の最後であると同時に次世代に橋渡しする商品でもある。北米市場では,ミッドサイズSUVは家族とともに移動を楽しむためのクルマであり,学校への送り迎えやスーパーへの買い物に使うなど生活に密着したクルマでもある。そのためミッドサイズSUVは,3列シートを確保するため大きなキャビンとなることとなり,全体に洗練さが失われて生活臭さがにじみ出たスタイルになりがちである。そこで新型CX-9は,生活から離れたシーンにおいてもセンス良く使うことができるクルマに仕立てることにより,先代で高く評価されたスタイリッシュなミッドサイズSUVを市場で再定義するようなクルマ造りを目指した。現在,マツダブランドの置かれる立場や状況,目指すべき方向性は,先代CX-9開発当時とは大きく変わってきた。新型CX-9は,ニアプレミアム領域に挑戦する商品として,デザイン領域では,意味的価値(エモーショナルバリュー)を重視し,真のプレミアムレベルに挑戦した。マツダが経験したことがない領域に対して,これまでのマツダの“あ*1デザイン本部Design Div.-9-