ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

No.33(2016)特許紹介マツダ技報低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの発明特許第5338268号(登録日2013年08月16日)発明者金尚奎,志茂大輔,片岡一司発明の実績社内実施(SKYACTIV-D)平成26年度中国地方発明表彰特許庁長官奨励賞受賞SKYACTIV-Dは,100件を超える特許群に支えられ低迷していたディーゼル市場に強烈なインパクトを与えた低圧縮比クリーンディーゼルエンジンを実現するための優れた技術である。その技術の代表として本件特許が,平成26年度中国地方発明表彰では上位特別賞の特許庁長官奨励賞を受賞した。この発明表彰は毎年さまざまな業種の企業から優れた技術が数多く応募されており,その中からディーゼルエンジン技術が本賞を受賞するのは,産業界でもトップクラスの技術であることが認められたことを意味する。<発明の背景>近年,ディーゼル車はガソリン車に比べて熱効率が高くCO2排出量削減の有力な手段として注目されている。しかしながら,ディーゼルエンジンの排ガス(NOx,煤)の汚さ等のネガティブ要因が,ディーゼル乗用車普及のネックとなっていた。その最大の要因は,ディーゼルエンジンは,圧縮比が高く燃料が自己着火しやすいためにNOxや煤が多く発生することであった。その対策として,自動車用量産ディーゼルエンジンで世界一の低圧縮比14.0での燃焼が考えられる。この場合,ピストン上死点における圧縮温度と圧力が低くなり,特に低負荷では燃料噴射後から自己着火までに空気との十分な混合時間が確保でき,酸素が充足された状態で燃えるのでNOxと煤が減少する。しかしながら高負荷では,高効率な過給機によって上死点における圧力が再び上昇して低圧縮比だけでは燃料と空気との混合が不足するため,その解決が課題であった。<発明の概要>本低圧縮比クリーンディーゼルエンジンは,燃料と空気とが良好に混合しNOxや煤の発生を抑制するため,燃焼室は燃料噴霧が壁面の流れに対して,燃料噴霧が側面上の衝突点から燃焼室の底面に沿って流れる初期段階と,その後に燃焼室の底面を経由してシリンダ中央部へ向かう中期段階,最後にシリンダ中央部からスキッシュエリアヘ向かう後期段階の3つになるよう燃焼室形状に卵型楕円関数を採用し燃焼室内の縦渦,つまり縦方向の旋回流を強化することで,燃焼室内における燃料過濃混合気の停滞抑制および混合促進を図った。本発明により,燃焼室内で燃料噴霧と空気とが良好に混合し煤の生成が抑制され,また高温既燃ガスの停滞がなくなりNOxの排出も抑制された。また,活発な燃焼が燃焼期間を短くして燃費を改善した。本発明を含めた群特許技術によって,最新の厳しい排ガス規制(国内ポスト新長期/欧州EURO6)にNOx触媒なしで適合するクリーン燃焼を実現しながら,燃費を従来比20%程度改善した。図1低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの外観図2低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの燃焼状態を示す図-159-