ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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概要

マツダ技報 2016 No.33

No.33(2016)マツダ技報システムを採用することで,コンパクトかつ低圧損なEGR経路としながら排気ガス温度を950℃から150℃以下まで冷却した。このCooled EGRシステムは,全開領域でのボア間温度を約10℃低下させる効果があり,クロスドリルなどの冷却構造を不要としてNAエンジンと同じボアピッチでターボ化を実現させることに貢献している。6.エンジン本体,NVH,エミッション対応新型2.5Lターボチャージャーエンジンは,過給エンジンでありながらも基本諸元や燃料システムはSKYACTIV-G 2.5を踏襲している(Table 1)。一方で,ターボ化による高出力対応や更なる燃費改善の進化も織り込んでいる。6.1ピストンと高タンブル吸気ポート新型エンジンは,SKYACTIV-Gの高効率燃焼を踏襲するためピストンを相似形状のCavity Pistonとし,クラウン形状で圧縮比を10.5に調整している(Fig.16)。また,高過給時の燃焼室内流動を2.5L NAエンジンと同等にするためシリンダーヘッド吸気ポート上側のデッドボリューム低減で吸気流動の指向性を強化し,ポート下部にエッジ加工を施した2段加工の高タンブルポートによりタンブル比を12%強化した(Fig.17)。6.2連続可変容量オイルポンプ新型エンジンでは,ターボ化によるターボチャージャーへのオイル供給やピストン冷却オイルジェット流量増などでオイルポンプの最大吐出量の増加が必要になった。一方で,低燃費を維持するため不必要な領域でのオイル供給量を減らし機械抵抗を低減することが求められた。この相反する要求を両立させるためベーンタイプの連続可変容量オイルポンプを新開発した(Fig.18)。コンピュータがエンジン回転と負荷に応じて最適なオイル供給量を算出し,油圧センサーでモニターしながらソレノイドをリニア制御することでオイルポンプの吐出室容積を無段階に変化させることができる。このオイルポンプでエンジンオイル供給量を最適化し,従来のトロコイドタイプ2段可変オイルポンプに比べて最大吐出量を従来比75%増加させながらモード領域のオイルポンプ抵抗は2.5L NA同等を実現している。SKYACTIV-G 2.5L NAε=13SKYACTIV-G 2.5Tε=10.5Fig. 18 Comparison of Oil PumpFig. 16 Large Cavity PistonSKYACTIV-G 2.5L NA SKYACTIV-G 2.5T6.3ウォータジャケットスペーサー新型エンジンは,ボア間冷却性を高めるためシリンダーブロックのウォータジャケットに樹脂性のスペーサーを挿入した(Fig.19)。併せてシリンダーライナー周辺の冷却水量と流速を制御して,シリンダーライナー上部に高流速の冷却水を集中させることでシリンダーライナー温度上昇を抑制し,熱負荷増加に対する信頼性を向上させた。High tumble edge machiningFig. 17 High Tumble PortFig. 19 Water Jacket Spacer-21-