ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)プ内の燃温推定モデルを構築した。高圧燃料ポンプ内の燃温は,高圧燃料ポンプ内に流入する燃料の温度と流入量,流出した燃料の温度と流出量および,高圧燃料ポンプ壁面からの受熱量で決まる。それぞれの入出力の関係は,Fig.3に示す簡易熱移動モデルで表現できる。Fig. 3のモデルから,高圧燃料ポンプ内の燃温TPを導いた。?? ? ?????? ??????????????? (1)??燃料タンクからの低温燃料が高圧燃料ポンプ内に多く流入すると,高圧燃料ポンプ内の燃温の低下速度が速くなる関係に着目して低圧燃料ポンプに要求される燃料吐出能力を検証した。Flowing-in fuelQ in [J]:Heat quantityHigh pressure fuel pumpQ W [J]:Heat transfer amount from the wallof high pressure fuel pump toinside fuelQ inQ WQP1 QP2 mpWall of high pressure pumpPistonFuel inside high pressure pumpQP1 [J]:Heat quantity before the fuelpasses throughQP2 [J]:Heat quantity after the fuelpasses through??? ? ??? ? ??? ????? ? ?? Flowing-out fuelQout [J]:Heat quantityFig. 3 The Model for Estimating the Temperature of Fuelin a High Pressure Fuel Pump(2) FDM新型CX-9は,燃圧と燃料量の可変制御に対応したFDMを専用設計した(Fig. 4)。ここでは,FDMを構成する低圧燃料ポンプと燃圧制御機構について紹介する。Q out制約条件は,低圧燃料配管内で燃料ベーパーを発生させないことである。燃料噴射量ごとに,式(1)から高圧燃料ポンプ内の燃温を導出し,燃圧の制約条件を満足させる低圧燃料ポンプの要件を決定した。NAエンジン用の低圧燃料供給制御システムは,制御燃圧を一定にしかできないので,エンジンの熱間始動時に要求される最大の燃圧を制御燃圧とし,その制御燃圧において,W.O.T.(Wide Open Throttle)時の最大燃料噴射量を供給できる低圧燃料ポンプを設定する必要があり,低圧燃料ポンプの燃料吐出流量サイズが大型化する。新型CX-9は,NAエンジン用の低圧燃料供給制御システムに対して,制御燃圧を一定とする制約を排除し,制御燃圧をリアルタイムで可変させたことにより,W.O.T.時の燃圧を低減し,低圧燃料ポンプの要求最大仕事量を抑制することができた。これにより,NAエンジンを搭載したCX-5やアテンザと同じ小型の低圧燃料ポンプの共用を可能とし,開発効率化にも大きく寄与した。b.燃圧制御機構新型CX-9は,従来のNAエンジン用に採用してきた機械的な燃圧制御機構であるダイアフラム式プレッシャーレギュレーターを廃止し,代わりにFDMの燃料流路に絞りを設け,絞りを通過する燃料量を制御することで燃圧の可変制御を可能にした。構造モデルを用いたCFD(Computational Fluid Dynamics)や燃圧制御機構を含むハードウェアシステムのプラントモデルと制御モデルを用いた燃圧制御性検証,タグチメソッドを用いたパラメータ設計により絞り形状を含む燃料流路の設計諸元検証を実施し,仕様の最適化を実施した。Fig. 5に燃料流路の絞り部のCFDの結果を示す。異常な乱流の発生はなく,ばらつきの少ない安定した調圧を可能とした。Fig. 5 Computational Fluid Dynamics of OrificeFig. 4 FDMa.低圧燃料ポンプ高圧燃料噴射システムの燃料噴射量要求と低圧燃圧要求から低圧燃料ポンプに必要な仕事量が決まる。この燃圧の(3)低圧燃温センサー低圧燃温センサーは,低圧燃料流路で最も温度が高くなり,燃料ベーパーが発生する高圧燃料ポンプに取り付けた。新型CX-9は,車載レイアウトや高圧燃料ポンプの構造により,高圧燃料ポンプ内でのセンサー測温部の配置場所-30-