ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報に制約があったため,高圧燃料ポンプの低圧燃料流路を分岐させ,センサー測温部を配置可能な場所まで燃料流路を延長させた。そのため,センサー測温部が分岐した燃料流路の袋小路部に配置される。ところが,袋小路部は燃料が滞留しやすく,FDMから供給される燃料タンクの比較的低温の燃料の影響を受けた主流の燃温より高い燃温を検出するため,最適な燃圧制御ができない。そこで,流れ解析モデルを用いてセンサー測温部に燃料流れを引き込むように構造を最適化した。Fig. 6に解析結果を示す。青色部は燃料よどみ部,赤色部は燃料流れが活発であることを示しており,改善後は測温部周辺において燃料よどみは発生していないことが分かる。その結果,主流と同等の燃温を検出できるようになり,低圧燃料供給制御システムの消費エネルギーの低減に貢献した。Fuel vaporgenerationdeterminationNoYesCalculate atarget fuelpressureincrease amountStartCalculate atarget fuelpressureCalculate atarget fuelpressurefeedbackCalculate atarget appliedvoltage of lowpressure fuelpumpOutput a dutysignal to FPCFig. 7 Flowchart of SoftwareLow pressurefuel temperaturesensor signalLow pressurefuel pressuresensor signalSensing part of temperatureImprovement shapeBase shapeFig. 6 Computational Fluid Dynamicsof High Pressure Fuel Pump3.2ソフトウェア低圧燃料供給制御システムの制御ソフトウェアのフローチャートをFig. 7に示す。ここでは,制御の肝となる燃圧フィードバック制御と燃料ベーパー検出制御を取り上げて説明する。(1)燃圧のフィードバック制御燃料の飽和蒸気圧特性より,燃温に応じた低圧燃料配管内で燃料ベーパーの発生を抑制できる最低限の燃圧を参照して,低圧燃料供給制御システムの制御コントローラーの目標値を設定した。さらに,この目標値と低圧燃圧センサーの出力値が一致するように燃圧をフィードバック制御することで制御精度を高めた。制御コントローラーは,プラントモデルや実車にて制御性を検証し,フィードバック制御とフィードフォワード制御を組み合わせた。目標燃圧より低い燃圧では燃料ベーパーが発生するため,目標燃圧より実際の燃圧を低下させてはならない。外乱の影響に強く,確実に所定値以上の燃圧を応答よく出力させるフィードフォワード制御をベースとして,アンダーシュートさせないようにゲイン設定したフィードバック制御を組み合わせることにより,応答性と制御性を両立させた。(2)燃料ベーパーの検出と制御低圧燃料配管内で燃料ベーパーが発生すると高圧燃料噴射システムが所定圧力の燃料を噴射できず,ドライバビリティの不調やエンジンストールを引き起こしてしまうため,エンジン作動中はどのような状況下であれ,燃料ベーパーを発生させてはならない。マツダは,全世界の燃料性状を継続的に調査しており,世界中のどのような燃料に対しても,燃料ベーパーが発生しないような燃圧で制御している。しかし,市場状況は刻一刻と変化しており,マツダが想定していないような性状の燃料が流通する可能性もある。新型CX-9は,そのような状況でも,各種センサー信号や制御状態から,いち早く燃料ベーパーの発生を検出して,システムが許容する範囲で燃料ベーパーの発生を抑制するよう燃圧制御することで,低圧燃料供給制御システムのロバスト性を向上させた。-31-