ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

No.33(2016)マツダ技報a.車体最適構造実現に向けた新開発手法の適用車体音響感度を低減させるためには,各パネルの振動レベルを低減させる必要がある。これまでの開発では,各部位につき代表点を1点設定し,その点での加速度応答(A/F: Acceleration/Force)を開発指標としていたが,新型CX-9の開発においては,新指標としてパネル等価放射パワー(ERP: EquivalentRadiated Power)を採用した。Fig. 12に示すように,点指標による管理から面指標による管理へと置き換え,点指標ではとらえきれない局所的なモードまでを網羅可能とすることで,より詳細な現象把握を実現し,適切な改善要件の提案へとつなげた。Even if there is a local modewhich cannot be detected by A/F,it can be detected by ERP: A/F evaluation point: ERP evaluation areaFig. 12 Comparison between A/F and ERPモードに加え,新たに複数のモードを管理対象として追加することで,より確実にモードの連成を防止することができた(Fig. 14)。Front SuspensionFrequency [Hz]405060807090 100120110130 140 150170250160180 190 200300Longitudinal164HzLongitudial 1st 45HzTransverse 1st 110Hz3rdBody cavity ResonanceTire ResonanceCommon modeReversed phasemodeKnuckle roll modeDamper bottomBrktLongitudinal modeLongitudinal 2nd 88HzVertical 1st 141HzSeparate "Suspension mode"from "Body cavity" and "Tire cavity".Fig. 14 Suspension Modal AlignmentTire-resonancepressure:+pressure:-Frequency [Hz]405060807090 100120110130 140 150170250160180 190 200300また,他性能とのバランスや重量効率面から,各サスペンション共振周波数の分散が困難と判断した箇所については,ダイナミックダンパーを設定した。このうちリアトレーリングアームのダイナミックダンパーは,2つの異なる共振に対し効果を持たせることで,重量効率を最大化させた(Fig. 15)。更に開発過程では,車体音響感度に影響の大きい部位・周波数帯域をあらかじめ網羅的に明らかにしたうえで,ERP目標を設定し,開発を進めた。その結果,性能レベルを大幅に引き上げつつも,重量増加を最小限とする構造を織り込むことができた。例えば,センターフロアでは,性能を向上させる部位・周波数帯域を絞り込むことにより,Fig. 13のとおり,最終構造決定時点まで,基本的にはフロアパネルの形状変更のみで性能を向上させた。その結果,コストや重量をかけることなく,ロードノイズ性能の目標を実現できた。InitialFinalERP decrease was achievedthat only beads addedFig. 13 Modification of the Shape of the Center Floorb.サスペンション伝達特性の向上手法サスペンションについては,以下の2つを基本コンセプトとして開発した。(A)主要モード共振周波数の離間によるモード連成防止,(B)実走時の特性を考慮したブッシュ開発による伝達特性向上,である。(A)のサスペンション主要モードのアライメントについては,新世代商品群開発で管理している寄与の高い主要Vertical 206HzTransverse 300HzFig. 15 Dual Direction Dynamic Damper(B)の伝達特性向上に当たっては,ブッシュ特性の設定方法を進化させた。経路寄与が高く,構造上,実走時に大きなプリロードがかかるフロントロアアーム後側ブッシュに対しては,既存の静止状態における管理指標では不十分である。新型CX-9では,走行抵抗による変位量を計測し,実走時の動バネ特性が最適となるようにブッシュメーカーと協働で管理する特性の計測条件を再構築した。4.おわりに以上,新型CX-9の静粛性開発について紹介した。お客様に安心,快適を提供するために,社内の開発,生産,品質管理部門,及び社外協力関係者が一丸となって,各部品の最適化と改良に取り組み,現行モデルに対して静粛性を大きく向上できたと自負している。今後もお客様視点での-37-