ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)光学設計上,限られたスペースで視距離を遠方にするためには,ユニット内の光路長に対し凹面鏡の拡大率を上げることが必要である。しかし,拡大率を上げると『表示歪み』の背反事象が発生する。新型WSタイプの光学設計は,凹面鏡の拡大率と表示の歪みを最適に制御し,凹面鏡の拡大率を5.9倍にすることで,表示距離要件2.5mの遠方表示と表示歪みの最小化を実現した。Visual distance L1+S’= 2500mmMagnifying power m = S’/S = 5.9(A)最大表示輝度値の進化(Cタイプ比2.5倍)WSタイプで必要な輝度を確保するために,Cタイプから大幅な輝度UPを行った。単純に光源本体の輝度を上げると,それに伴って光源の発熱量も比例して増加し,周辺部品へ熱的影響を与えることとなる。加えて,WSタイプはユニット内部へ太陽光が入光しやすく,更なる温度上昇につながる構造である。そこで,今回のWSタイプでは,以下の2つの工夫を実施し,太陽光による温度上昇を抑えながら光源輝度をより効率よくウィンドウシールドへ伝達することで,必要な表示輝度を確保した。工夫点の1つが,平面鏡に“コールドミラー”と呼ばれる,赤外線を透過し可視光を反射する光学薄膜を施した鏡を採用し,温度上昇の元となる赤外線の影響を最小化した。もう1つが,凹面鏡サイズを最適化し,太陽光の熱影響を下げる対応を行うとともに,光の偏光成分をコントロールすることで,視認輝度を効率的に確保し光源本体の輝度UPを実現した。Fig. 4 Actual Light Path of New Active Driving Display(2)表示位置(見下ろし角):表示位置の上方化運転中の『わき見時間最小化』の進化として,車両前方の視認ポイントから虚像表示を見るまでの視線移動時間の最小化にも取り組んだ。Cタイプではインパネのすぐ上に表示エリアを設定したが,WSタイプでは表示エリアをCタイプより上方に配置し,視線移動時間の最小化を実現した。ただし,表示位置を上方にすれば,①前方視認に対するHUD表示の煩わしさ,②前方車両との表示の重なり等の課題が発生し,これらの課題を克服するために,あらゆる外部環境の変化を想定した誤差因子に対する仮説を立て,実車検証で立証するプロセスを重ね,視認移動時間の最小化と上記2つの課題を克服して最適な表示位置を決定した。(3)表示輝度:表示コントラスト比の確保CタイプとWSタイプのもう1つの大きな違いは『外部環境の変化による表示の見え難さ』である。Cタイプは透過率50%のコンバイナーが緩和材となり,外部環境の輝度変化の影響も半分になっている。しかしWSタイプにはそれがないため背景輝度変化の影響をダイレクトに受ける。そこで,以下に示す2つの進化を採用することで,環境変化に影響されない視認性を確保するための表示コントラスト比を実現した。(B)自動調光制御の進化自動調光制御は,外部環境の明るさを測定し,それに最適な表示輝度を自動計算し反映する機能である。従来のCタイプでは外部環境照度をアクティブドライビングディスプレイに内蔵したフォトセンサーのみで測定していたが,WSタイプではそのセンサーに加えてレインライトセンサー(以下,RLS)の入力も活用した。内蔵センサーは,レイアウト制約によって虚像位置よりも上方範囲の照度を測定している。よって,走行環境によっては表示背景照度と測定照度に誤差が生じる場合がある。そこで,垂直方向と水平方向の2軸で照度計測を行っているRLSの水平側のセンサー入力値を活用した。内蔵センサーとRLSセンサー(水平方向)の2つのセンサー測定値の関係から表示背景輝度を計算することで,今までよりもさらに精度高い外部環境照度推定を実現した。また,Cタイプの開発時同様,より確実に視認性を確保できる『自動調光マップ』を作成するために国内外のあらゆる環境で走り込んだ。自動調光マップとは,(a)背景輝度に対する表示輝度設定値, (b)背景輝度変化に対する表示輝度変化スピード値を定義したものである。自動調光マップの作り込みでは,単に視認性を確保することだけではなく,運転中にお客様が違和感や不快感を覚えない点も重視した。3.2分かりやすさの追求:『意識のわき見の最小化』マツダは,意識のわき見を最小化することは,『迷い』を最小化することであると考える。昨今のセンシング技術やカメラ認識技術に代表される安全技術の進化に伴い,ドライバーが走行中に認知すべき情報は増加の一途をたどっている。運転中にドライバーが扱-62-