ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報う情報が複雑化する状況下にあっても『ドライバーに伝えるべき情報』を取捨選択し,必要な情報だけを,タイムリーに,分かりやすく提示することで,ドライバーの運転中の『迷い』を最小化することを目指した。一つ一つの認知・判断を,迷いなく安心して実行いただくための最適な情報環境を提供することは,お客様の安全を確保する上で非常に重要な意味を持つ。そこでまず,表示するコンテンツ,およびその配置の考え方を再点検した。(1)表示コンテンツとその配置従来のCタイプ開発時から,アクティブドライビングディスプレイに表示するコンテンツは『走行環境に応じて刻一刻と変化する安全に走るための情報』に限定している。今回,その情報の中身を再考し,以下の2つに大分類した。(A)自車情報:運転判断に必要な自車の情報(例:現在車速,クルーズ設定車速)(B)走行環境情報:走行中に必要な走行環境の情報(例:経路誘導,制限速度情報)この情報分類の考え方に基づいて,今回2つの新たな表示コンセプトを定義した。表示コンセプト①:実像と情報の対応付け人間が物事を知覚するときの脳のはたらきに関する『ゲシュタルト心理学』の中心概念である『プレグナンツの法則』の1つに『近接の要因』がある。これは,距離が近いものは離れているものよりも関係が深いと知覚されるというものである。つまり,実際の対象物の近くに表示を対応付ける(近接させる)ことで,各表示の属性や種類を迷わず知覚しやすくなると考えた。この考え方に基づき,上述した(A)自車情報は自車の近傍に,(B)走行環境は前方視界の近傍に配置した。結果,Fig.5に示す表示配置とした。また,各エリア内においても,対象物との距離を考慮し各コンテンツの配置を決定している。例えば,制限車速表示位置は各仕向けにおける車両と道路標識の位置関係に着目し,左ハンドル車は画面右に,右ハンドル車は画面左に配置した。Fig. 5 Concept of Contents Layouts表示コンセプト②:コンテンツ配置の固定化従来のCタイプは,限られた表示エリアに,複数の表示コンテンツを各走行シーンに応じた最適表示配置を採用したため,画面内の変化量が大きく,変化する頻度も高かった(Fig.6)。よって,ドライバーはその変化を煩わしく感じることに加え,画面が切り替わる都度,各表示の属性や種類の識別が必要になり,見るわき見,意識のわき見を誘発していた。今回のWSタイプでは,一貫したコンセプトに基づいて虚像全体の表示パターンを減らすことで情報変化量を低減し,ドライバーが煩わしさを感じないように配慮した。また,虚像投影位置をドライバー正面にしっかり配置し,表示全体を左右対称かつ奥行きを感じられる意匠とすることで,『ドライバーの中心軸』にこだわったコックピットから視認しても,しっかりその軸が形成され,運転視界が安定するようにも配慮した。-63-