ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報2.車両性能とボディー精度保証2.1車両性能とボディー精度のつながりボディーが実現すべき3大性能は,操縦安定性,衝突安全性,NVH性能である。これらの性能に加え,外板パネルの面品質と寸法精度は,ダイレクトにデザイン意匠に影響する。これらの車両性能とデザインは,寸分の狂いもないボディー精度の良さがないと成立しない。ボディーを構成するプレス部品一つ一つの精度と,それらを接合する車体アッセンブリー精度が重要で,接合時の応力,自重からくる変形を最小限に抑えるように,寸法精度を造り込んでいく必要がある。2.2ボディー精度保証プロセスの進化従来のプロセスでは,プレス部品・車体アッセンブリーそれぞれでの並列育成及びゲート管理を実施し,CAEも活用するが実パネルの精度に応じた修正ありきの品質の造り込みを行ってきた。今回のプロセスでは,従来よりも早い工程設計段階からCAE技術を活用し,プレス部品,車体アッセンブリーをそれぞれ並列育成することに加え,ボディー領域全体としてつながりを持たせ,相互補完しながらねらいの寸法精度を実現していくプロセスとした(Fig.2)。このプロセスに沿って,3章で「プレス部品のCAE精度向上」,4章で「接合部のすり合わせ精度向上」,5章で「車体アッセンブリー精度向上」について述べる。3.プレス部品のCAE精度向上3.1 CAE検証における寸法精度保証に対する課題ボディーへの高張力鋼板の適用において,軟鋼板と比較した場合の一般的なプレス成形上の課題は,延性の低下による割れやしわなどの成形性の劣化にはじまり,降伏応力が高いことでスプリングバック量の増大に伴う寸法精度悪化,また材料硬度による金型の成形面における耐摩耗性低下などがある。なかでも寸法精度の悪化については,アッセンブリー時の溶接組立工程において接合面に隙間が生じ,外観に対する品質や衝突性能の低下などボディー全体に影響を及ぼしかねない点で重要な課題として捉えている。スプリングバックは弾性変形によるものと仮定し,その量を板曲げ半径Rにおける曲げ角θ0とその戻り量?θで表すと,弾塑性力学計算によりヤング率E,降伏応力σ,板厚tでは次式になる(1)。スプリングバック量? ???3??? ?? ???? ?この式から高張力化と薄肉化の併用により軽量化を図ろうとすると,スプリングバック量は総じて増大する方向に変化することがわかる(Fig. 3)。Customer valueReworkCustomer valueReworkBodySimulationAssemblyVirtualComponentRealFurther customerChapter 5Customer valueChapter 4value improvementCustomer valueSimulationChapter 3SimulationBodySimulationAssemblyVirtualRealComponentFig. 2 Dimensional Control ProcessFig. 3 After Springback Shapes高張力鋼板におけるCAE検証時の課題についても,軟鋼板と比較して割れやしわなどの成形性に対する検証回数は増加し,それ以上にスプリングバックに対する寸法精度の保証に多くのリソースを要する。例えば,スプリングバックの量や範囲をあらかじめ方案面に織り込むことで対処する見込み形状を作成し,スプリングバックの低減を確認する検証サイクルが新たに加わるなどである。そして,引張強さの増大は更なる検証の繰り返しや対策立案の検討工数の増加を招く。成形性よりも寸法精度に対する検証回数,対策工具形状作成工数の比率が大幅に増大するとともに,成形性を確保した後も見込みによる工具形状変更などにより,寸法精度の対策確認とともに成形性の再確認のための検証が上積みされる。また,スプリングバック量の増大に比例して,CAE検証結果と実パネルとの一致度もバラツキが大きくなる。3.2工法,見込みによる寸法精度への対策高張力鋼板のスプリングバック対策には主に以下の3つ-67-