ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33

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マツダ技報 2016 No.33

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概要

マツダ技報 2016 No.33

No.33(2016)マツダ技報また東北地方のデータに関して同じ傾向が見られることを確認できている。このことから,融雪塩,海塩粒子環境を問わず,0.1mAを境界に走行と停車を大別できるため,0.1mAのしきい値は妥当性がある。つまり走行中のACMセンサー出力値は実際の腐食環境より過大であり,停車中のデータのみが有効であるといえる。3)ACMセンサーの出力値と温湿度の関係次に停車中にACMセンサーから信号が出力される理由について温湿度との関係を調べた。一般的に気象学では気温上昇⇒湿度低下,気温低下⇒湿度上昇の関係にあるといわれており,夜間は湿度が上昇している。車体に付着した塩分が,夜間の結露/潮解により水分を吸着し腐食を進行させていると考えた。その結果,外気温は露点より低くなった際の結露条件でACMセンサーが出力しており,潮解により腐食が発生していることがデータで確認できた(Fig. 14)。4.市場腐食環境データの今後の展開腐食環境計測システムで得られたデータは今後,ユニットごとのバーチャル評価につなげていく。腐食のバーチャル評価は,市場モデルとして腐食環境条件を正確に把握し,それをベースに腐食モデルベースを構築する(Fig. 15)。今回,定量化に成功した腐食環境データをデータベースに集約することで各市場の特徴を容易に分析することが可能となった。一例として沖縄と東北地方のデータを比較分析した結果を紹介する。それぞれ腐食環境が異なる部位にACMセンサーを設置し検証した結果,アッパーボディーは沖縄,アンダーボディーは東北の腐食環境がより過酷であることが実証できた。これは海塩粒子が飛来する沖縄の環境と融雪塩を含んだ水をタイヤで跳ね上げる東北の地域的特徴を正確にとらえることができており,腐食モデルベースのインプット情報となる市場モデルとして十分に活用できるレベルのデータとなっている。5.おわりに(1)車載型腐食環境計測システムの構築ACMセンサーを用いた自動車用の車載型腐食環境計測システムを構築した。(2)腐食環境データ解析手法の開発ACMセンサーは,降雨等によってセンサー上に水膜が形成される場合,実際の腐食環境よりも過大に出力する特性があるため,以下の補正方法が有効であることが分かった。・濡れ量が多い(水膜50μm以上)環境においては,0.1mAを超える場合のACMセンサー出力値を0にすることで試験データの腐食速度と積算クーロン量の相関性が得られる(3)実際に自動車の腐食が進行するのは走行中ではなく,夜間の結露/潮解現象により発生している(4)車載型腐食環境計測システムで得たデータは,市場の腐食環境を正確にとらえており,腐食モデルベース開発のインプット情報として十分に活用できる。参考文献(1)押川:沖縄における金属の腐食と環境評価,ウェザリング技術研究成果発表会,pp76-77(2013)(2)篠原:大気腐食評価技術に関わる最近の進歩と今後の展望,材料と環境,63,pp116-120(2014)(3)増子:さびのおはなし,pp74-75(2014)(4)細矢ほか:炭素鋼の腐食速度と海塩を含む水膜の厚さの関係,材料と環境,54,pp391-395(2005)(5)過去の気象データ検索,国土交通省気象庁HPhttp://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php調査日:2015/10/20■著者■WaterTempHum.PaintStructureMaterialCorrosionRestraintPeriodCorrosionSpeed福田克弘落岩克哉園田賢司New Step:Addition of the Quantification Process for Each PartFig. 15 IPO Chart of the Corrosion CAE山根貴和-77-