ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報1.2本技術開発の位置づけマツダの技術開発の長期ビジョンとして「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」があり,本技術開発の原点は「優れた環境性能」に貢献するための技術開発である(Fig. 2)。「優れた環境性能」に貢献できる技術の一つとして,植物由来材料である「バイオプラスチック」があり,バイオPCはその中の一つとして開発を進めてきた。しかし,バイオプラスチックは従来の石油系プラスチックと製造方法が異なるため材料コストが高く,自動車部品への採用が拡大していない。そこで,バイオプラスチックならではの特徴を見出し,その特徴を活かすことで,部品レベルでコスト同等を目指し,自動車部品への採用拡大を目指した。本開発材料の特徴として,「透明性」「耐傷つき性」「耐光性」が良い特徴を持っている。そこで,ピアノブラック塗装の代替えとして,本開発材料を着色し,塗装では実現できない高質感の実現を目指した。り小なり発生するが,本技術は成形圧力により鏡面のような平滑感を実現することができる。つまり,本技術は「深み感」「平滑感」において,従来の塗装を超える質感を実現できる技術であり,際立つデザインに貢献することができる。Fig.3 Conventional TechnologyFig. 4 Developed Technology(3)経済性本開発材料を着色し,塗装では実現できない高質感を実現することで,従来必要だった塗装工程を廃止し,部品レベルでコスト改善に貢献することができる。2.技術課題Fig. 2 Main Purpose1.3本技術開発の特徴本技術は,ピアノブラック塗装の代替え技術として,「環境性」「商品性」「経済性」を高いレベルで実現できる技術である。(1)環境性植物由来原料を使用していることからCO2排出量の削減や石油資源使用量の削減,更に塗装工程廃止によるVOCの削減により,優れた環境性能に貢献することができる。(2)商品性従来の塗装の膜厚は数十μmであり,その厚さで深み感を演出してきたが(Fig. 3),本技術は数mmの製品厚で深み感を演出することが可能であり,従来の塗装を上回る深み感を実現できる(Fig. 4)。更に,従来の塗装では,塗装ならではの表面のゆがみ,いわゆる「ゆず肌」が大なピアノブラック塗装レス化の技術課題は,塗装することなく,自動車内外装意匠部品に要求される「表面意匠性」「表面意匠耐久性」「基材機械物性」を成立させることである。それぞれの代表的な要求性能として,表面意匠性は「漆黒感」と「平滑感」,表面意匠耐久性は「耐傷つき性」と「耐光性」,基材機械物性は「耐熱性」と「耐衝撃性」がある。従来は,これらの要求性能を塗装と基材の樹脂で満足させてきた。しかしながら,今回は塗装レス化技術開発であり,塗装を使うことなく,基材の樹脂だけでこれらの要求性能を満足させなければならない。よって,今回の目標は,Fig. 5の要求性能図に示した塗装品と同等以上を目指すこととした。まず単純に塗装をなくした場合で,基材樹脂としてよく使用されるABS樹脂では,基材機械物性の要求性能は満足させることができるが,表面意匠性と表面意匠耐久性の要求性能は満足させることができない(Fig. 5)。-79-