ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)従来の石油由来材料で透明性が高く,発色性の良い材料として,アクリル(以下,PMMA )やPCがある。PMMAは表面意匠性と表面意匠耐久性の要求性能を満足させることができるが,基材機械物性の要求性能を満足させることができない。一方,PCは表面意匠性と基材機械物性の要求性能を満足させることができるが,表面意匠耐久性の要求性能を満足させることができない(Fig. 6)。以上のように,既存の材料では,「表面意匠性」「表面意匠耐久性」「基材機械物性」の要求性能を成立させることができなかった。Fig. 5 Demand PerformanceFig. 6 Conventional Material3.解決手段樹脂部品性能に大きな影響を与える因子として,「材料」「工法」「構造」があり,これらの3つの因子を用いることで,樹脂部品性能をコントロールすることができる。今回は「材料」と「工法」に着目し,材料からのアプローチとして「バイオPCの材料組成の最適化」,工法からのアプローチとして「バイオPCの成形方法の最適化」を行うことで,「表面意匠性」「表面意匠耐久性」「基材機械物性」の要求性能の成立を図った。3.1表面意匠性表面意匠性として,「深みのある漆黒感」と「鏡面のような平滑感」を挙げているが,これらを実現させるためには,大きく3つのポイントがあり,「表面の微細形状」と「樹脂の透明性」と「着色剤の分散性」が大きな影響を与えている。表面の微細形状については,表面が粗いと鏡面のような平滑感を実現できないことはもちろんのこと,表面で光が拡散することで,白ぼけてしまい,深みのある漆黒感を実現することができない。樹脂の透明性については,樹脂の透明性が低いと光が内部まで届かないため,表面近傍で白ぼけてしまい,深みのある漆黒感を実現することができない。着色剤の分散性については,着色剤の分散性が悪いと着色剤が凝集してその部分で光を遮断してしまうため,深みのある漆黒感を実現することができない。そこで,表面の微細形状と樹脂材料で光をコントロールすることで,塗装を上回る表面意匠性の実現を試みた。(1)工法からのアプローチ工法からのアプローチとして,「金型仕様」と「成形条件」に着目し,金型内の樹脂流動をコントロールすることで,樹脂表面の外観不良をなくし,鏡面のような平滑感の実現を試みた。樹脂成形で発生しうる表面外観不良として,シルバー,ウエルド,ヒケなどがある。シルバーは,金型内で流動中の樹脂がガスを巻き込み,表面で破泡することで銀状のスジが発生する現象である。ウエルドは,金型内で流動中の樹脂同時がぶつかり固化することで,表面にスジが発生する現象である。ヒケは,製品厚さが異なる部分などで樹脂の固化速度が異なり,部分的に収縮率が異なることで,表面が凹状になる現象である。金型仕様として,金型内の樹脂流動解析を行うことで,樹脂の流れ方や圧力分布や温度分布などの検証を行い,金型のゲート,ランナー,リブ形状などの最適化を行った。具体的には,シルバーの改善として,金型流動中の樹脂のせん断発熱を抑え,樹脂の熱分解ガスの発生を抑制させるために,ゲート径やランナー径の最適化を行った。ウエルドの改善としては,金型流動中の樹脂の会合角度をコントロールするために,製品板厚やゲート位置の最適化を行った。ヒケの改善としては,金型内の樹脂の固化速度をコントロールするために,リブ形状などの最適設計を行った。成形条件として,本開発材料の特徴および表面外観不良のメカニズムをしっかり把握し,可塑化条件や射出条件などを最適化して,樹脂の熱劣化や金型流動中の樹脂のせん断力を抑制することで,表面外観不良の発生しない成形条件を作り込んだ。以上のように,金型仕様と成形条件を最適化し,樹脂の-80-