ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報流動・圧力・温度・時間条件をコントロールすることで,表面外観不良を抑え,鏡面のような平滑感が実現できた。(2)材料からのアプローチ材料からのアプローチとして,「樹脂の透明性」と「着色剤の分散性」に着目し,樹脂材料の光学特性をコントロールすることで,深みのある漆黒感の実現を試みた。樹脂の透明性については,耐熱性や耐衝撃性などの材料物性を向上させるために投入した添加材により透明性が低下することがある。これは,添加材により樹脂全体の光学特性が乱れるためである。そこで,主原料として使用している植物由来のイソソルバイトの分子構造を活かし,添加材の配合を最適にした材料設計を行うことで,透明性と材料物性を両立させたバイオPCを開発した。特に透明性については,本開発材料の光線透過率は92%で,従来のPCの光線透過率の89%に比べて透明性が高い。これは,従来のPCは分子構造にベンゼン環があるため光を遮断するが,本開発材料はベンゼン環がないため透明性が高くなっている(Fig. 7)。更に着色材の分散性についても,従来のPCに比べて,本開発材料は着色材の分散性が良い(Fig. 8)。以上のように,本開発材料の透明性と着色剤の分散性が良い特徴を活かし,調色して光をコントロールすることで,深みのある漆黒感を得ることができた。認できた。写真で漆黒感を伝えるのは難しいが,平滑感については写真でも確認できる。Fig. 10は,部品の表面に蛍光灯を映して,その蛍光灯の反射像の鮮明さで平滑感の優劣を評価した結果である。塗装品には塗装ならではのゆず肌が発生し蛍光灯の反射像が歪んでいるが,バイオPC開発品は成形圧力により鏡面がしっかり転写され,蛍光灯の反射像がしっかり映っており平滑感の高さが確認できた。Fig. 9 Appearance EvaluationFig. 7 Molecular Structure (1)Fig. 8 Dispersion Performance(3)表面意匠評価結果表面意匠性の評価として,光学測定装置を用いて,漆黒感と平滑感を評価した。評価サンプルは,バイオPC開発品(塗装レス品)と,比較のために従来の塗装品を用いた。評価結果をFig. 9に示す。バイオPC開発品は,従来の塗装品に比べて,漆黒感・平滑感ともに優れていることが確Fig. 10 Surface of Parts3.2表面意匠耐久性(1)耐傷つき性耐傷つき性の向上には,「微小面の塑性変形のしにくさ」と「表面の滑りやすさ」に着目した。微小面の塑性変形のしにくさについては,イソソルバイトの剛直性の高い分子構造(Fig. 7)を活かした材料設計を行うことで,従来のPCより変形しにくくした。更に,表面の滑りやすさにつ-81-