ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
No.33(2016)マツダ技報特集:解説高圧縮比ガソリンエンジンにおける15触媒早期暖機のための燃焼技術開発Development of Combustion Technology for Reducing Catalyst Warm-Up Time in a High-Compression-Ratio Gasoline Engine藤川竜也*1Tatsuya Fujikawa山川正尚*4Masahisa Yamakawa内田健児*2Kenji Uchida中山佳映*3Yoshiteru Nakayama要約火花点火ガソリンエンジンにおいて,高圧縮比化は熱効率の改善に有効な手段である。しかしながら,高い熱効率ゆえに排ガス温度が低下し,冷間始動時の触媒暖機時間が長くなる。更に高トルク化をねらって掃気効果を持つ排気系は,一般的にロング排気系となり触媒上流の熱容量が増加し,ますます触媒暖機時間が長期化する。そこで,本研究では高圧縮比エンジンで触媒早期暖機に有効な排ガス温度上昇を実現する燃焼技術を確立した。SummaryThe high compression ratio is effective in improving the thermal efficiency for a spark-ignited gasolineengine. However, the exhaust emissions are deteriorated by the increased catalyst warm-up time, whichresults from (1) the reduced exhaust gas temperature caused by the elevated expansion ratio and (2) theelongated exhaust pipe for increasing the engine torque. The technology development was conducted forretarding the combustion phasing. The results show that high environmental performances are achieved.1.まえがきこれまでのエンジンに加え,ハイブリッドやモーターを用いた自動車の研究開発が近年盛んに行われている。しかしながら,燃費改善効果予測(1)では2020年のCO2削減目標25%の中で11%をエンジンが担い,2050年の削減目標78%の中で21%をエンジンが担うなど,長期的な視点においてもエンジンの燃費改善が負うところは非常に大きい。とりわけ,台数,モデル数の多いガソリンエンジンの燃費改善はCO2削減及び国際競争力強化の観点から極めて重要である。そこで,マツダはガソリンエンジンの熱効率を向上させるために高圧縮比化に取り組み,それに伴い現れる点火前の低温酸化反応に新たに着目し,従来からのノッキング改善手法である急速燃焼と混合気冷却のための新たな技術を導入することでガソリンエンジンの高圧縮比化を実現した(2)。しかし,高圧縮比ガソリンエンジンでは高い熱効率ゆえに排気損失が低下,すなわち排ガス温度が低下し,冷間始動時の触媒暖機時間が長くなる課題がある。また,高圧縮比ガソリンエンジンにおいて,更なる高トルク化の実現手段としては残留ガスの掃気でノッキングを回避しつつ体積効率を向上させることが有効である(3)が,このような排気系は一般的にロング排気系となり触媒上流の熱容量が増加し,更に触媒暖機時間が長期化してしまう。そこで,本研究では高圧縮比ガソリンエンジンにロング排気系を装着しても短時間で触媒暖機可能とする燃焼技術を開発した。2.供試機関及び実験条件本研究に用いた供試エンジン仕様をTable 1に示す。直噴ガソリンエンジンをベースに圧縮比を14まで高め,燃焼室形状はキャビティ付き燃焼室とした。また,インジェクターには噴射方向に自由度のあるマルチホールインジェクターを用いた。Fig. 1に燃焼室形状を示す。実験条件は冷間からの始動を想定し,冷却水温40℃,エンジン回転速度1200rpm,正味平均有効圧(BMEP)100kPaとした。*1,2,4パワートレイン技術開発部*3走行・環境性能開発部Powertrain Technology Development Dept.Driveability & Environmental Performance Development Dept.-83-