ブックタイトルマツダ技報 2016 No.33
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マツダ技報 2016 No.33
マツダ技報No.33(2016)Table 1 Engine SpecificationsEngine TypeIn-line 4, DOHCBore X Stroke87.5mm X 83.1mmDisplacement1998.8cm3Combustion ChamberPent-roofCompresstion Ratio14Fuel SystemDirect InjectionInjector TypeMulti Hole InjectorNumber of holes6 holesFuel Pressure13MPaFig. 2 Comparison of Exhaust Gas TemperaturesFig. 1 Shape of Piston Top3.高圧縮比化に伴う触媒暖機への影響はじめに高圧縮比化とロング排気系による排ガス温度低下を把握した。Fig. 2に従来圧縮比エンジンCompressionRatio=11.2(CR11.2)と高圧縮比エンジンCompressionRatio=14(CR14.0)における触媒暖機試験の同一点火時期での排ガス温度を示す。高圧縮比エンジンの排気ポートでの排ガス温度は高圧縮比化により排気損失が低減したため従来圧縮比エンジンに比べ30℃低下している。排ガス浄化の観点から主流となっている4-1集合タイプの排気系では触媒までの距離が短いため排気ポート温度に対して触媒入口温度はほとんど変化しないが,ロング排気系の触媒位置を想定した750mm下流の点においては更に80℃低下している。したがってロング排気系を用いた高圧縮比エンジンで従来圧縮比エンジン以上の触媒早期暖機を実現するには,冷間始動時に合計110℃以上の大幅な排ガス温度上昇が必要なことがわかった。4.触媒早期暖機のための成層燃焼コンセプト排ガス温度を上げる手段として一般的には点火時期リタードをしている。点火時期リタードは同時に燃焼安定性を損なうため,点火時期大幅リタード時でも安定した燃焼を実現できる手段として成層燃焼が有効である。従来の成層燃焼コンセプトは,一塊のリッチ混合気を点火プラグ周辺に滞在させるようにピストン上部に比較的大型のキャビティを形成することで安定したリタード燃焼を実現している(4)。しかし,高圧縮比エンジンでは高い圧縮比を得るために燃焼室設計の自由度が低く従来のコンセプトをそのまま適用することは困難である。更に,高効率,高出力を実現するためにピストンキャビティやマルチホールインジェクターの機能を開発しており,これらの機能と両立できる新たな成層燃焼コンセプトを構築する必要があった。そこで,本研究ではFig. 3に示すような新しい成層燃焼コンセプトに取り組んだ。新成層燃焼コンセプトのポイントは,マルチホールインジェクターを使って点火プラグ周りに長期間安定して可燃範囲の混合気を供給し続け,かつ,くすぶりの原因となる点火プラグへの液滴飛散を防ぐことである。具体的には,上段噴霧①をキャビティに入れるように配置し,排気側のキャビティ側面を利用して点火プラグ方向に噴霧を巻き上げる。中段噴霧②,③は吸気バルブ下の斜面に衝突させ,斜面に沿って点火プラグの方向に噴霧を運ぶ。下段噴霧⑥は吸気側の平面に衝突させ,中段噴霧②,③に追従して点火プラグ周りに混合気を補充する。このように噴霧を三つの塊に分割して時間差で混合気を点火プラグに到達させることで,点火プラグ周りに上死点(TDC)後長い期間安定した可燃混合気を存在させることを可能にする。また,点火プラグくすぶりに対しては,吸気バルブ下の斜面を延長した線と点火プラグの距離を確保することにより,点火プラグへの液滴飛散を防止する。5.実機検証5.1点火プラグ型A/Fセンサーによる検証本研究では,点火プラグ周りの混合気形成と液滴飛散有無を検証するため,実機エンジンに大きな改造なしで取り付けることができる赤外線吸収法を利用した点火プラグ型A/Fセンサー(LaVision製)を用いた。点火プラグ型A/Fセンサーの計測部分をFig. 4に示す。点火プラグの横に計測部を設け,サファイアファイバーを用いて光源からの光を導き,サファイアガラス窓を介して計測部に入射しミラーで反射させて再度サファイアファイバーを通じて受光部に導かれる。-84-