マツダ技報 2017 No.34
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2.2 最も美しいSUVという存在価値 新しい価値の創造を通して既存の枠組みを越え,最終 -110- マツダ技報 2.1 エクスプローリング・クーペ 市場調査の中で,中国の未来を牽引する若いリーダーマツダのブランド価値を高め,市場における存在感を増すには,物理的,機能的な価値以外の,ライフスタイルを一新させるような新しい価値提案が必要であった。 マツダが着目したのは流行の兆しのあったSUVの,更に先にある新しい価値である。つまり,最新のSUVを乗りこなすというライフスタイルが一般となった時にSUVユーザーが憧れを抱くライフスタイル像を既存のSUVという概念の外に描き出し,それまで既存のSUVという枠組みの中で漫然とその枠組みを受け入れてきた人々にも刺激を与え,結果的にSUVという概念そのものを進化拡大させるようなインパクトを持たせることであった。マツダがそのインパクトの核としたのが美しさである。SUVの価値はいうまでもなくユーティリティーと走破性を兼ね備えた自由で豊かなライフスタイル表現であるが,流麗な美しさは望めない。そこでマツダは既存のSUVにはない流麗な美しさを持つSUVを考え,既存のSUVの概念を越えた存在という意味の“越(KOERU)”と名付け,2015年のフランクフルトモーターショーに出品した。“越(KOERU)”が多くの賞賛を得ることで,CX-4の最も美しいSUVという存在価値は証明された。 また,CX-4は新世代商品群の集大成ともいえるモデルである。新ジャンルの構築という新たな挑戦の要素を加え,魂動デザインの進化に華を添えた。 No.34(2017)思えたが,マツダはより挑戦的なα案という冒険の道を選んだ。 層のマインドを調べたところ,先進諸国の豊かな社会に安住する若者との違いが見えてきた。彼等は決して現状に満足しておらず,自分たちの手で好ましい未来を作るという高い志を持ち,自らの作ろうとしている未来像は現状とは明確に異なったイメージでなければならないと認識していることが分かった。 マツダはそうした中国の若者の人生をサポートするため,彼らの冒険を支え,ともに生きていくにふさわしい名前を付けた。それが商品コンセプト“エクスプローリング・クーペ”である。その名に込められた志とは,既存の枠組みを越えた新たなカテゴリーを創出することによって,これまでにないその生き方が後の社会におけるカッコイイ生き方となり,多くの支持を集めるようになることへの挑戦を意味している。 的には既存の枠組みの姿を変革していくのが市場をリードするということの本質的な意味である。CX-4の場合,拡大するSUV市場において,しかも最も競合車の多く存在するCカーサイズの中で際立つことが求められていた。 Fig. 1 Concept Image“Exploring Coupe” Fig. 2 China Mazda Line Up Fig. 4 Exceed an Accomplished Frame Work Fig. 3 “KOERU” 2. 商品コンセプト

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