マツダ技報 2017 No.34
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また,新開発の高減衰ウレタンを採用し,発泡セルの (3) シート性能 -5- 2.0%0.5%10.4%4.7%37.7%26.9%17.8%Hot Stamp1180MPa980MPa780MPa590MPa440MPaその他No.34(2017) Third lumbar vertebra Fourth lumbar vertebra Fifth lumbar vertebra pelvis sacrum マツダ技報 Fig. 5 Road Noise in Comparison with Previous Model 具体的には,ボディー造形そのもので空気の乱れを抑Fig. 6 Rigid Mounting 伝達のメカニズムを徹底的に分析し対策を打つことで静粛性を高めた(Fig. 5)。 えるとともに,ワイパーをボンネットラインより低い位置に設定することや,ピラーの曲率,部品間のスキや段差を低減することで,空気の流れを乱さず風騒音の発生を抑制した。内装材の吸音特性を向上し,車室内に入り内装材に反射され質感を損ねる反射音の速やかな減衰を実現した。 (2) 操縦安定性・乗り心地 ドライバーだけでなく,助手席/後席に乗られる方も含めて全ての乗員が楽しめる空間を目指した。 そのために,人間の特性を理解し,人間の無意識な感覚・動作に寄り添ったクルマの動きを造り込んだ。その一つが,G-ベクタリング コントロールで,ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを綿密に変化させることで,横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールし,タイヤの接地荷重を最適化して,人間の感覚に合った自然で滑らかなクルマの動きを実現した。 また,ドライバーのインプットをより正確に,遅れなくタイヤへ伝えるために,新型CX-5ではステアリングギヤの締結をリジッド締結とした(Fig. 6)。これにより,ステアリングホイールからステアリングギヤ,タイヤまでに至るフロントサスペンションのシステム剛性を向上し,操舵入力からタイヤ実舵までの力の伝達ロスを低減した。 また,ボディーにおいては,最新のCAE解析を駆使した効率的な補強のほか,Aピラーやサイドシル,Bピラーに軽くて強度の高い超高張力鋼板を新採用した(Fig. 7)。これにより,初代CX-5に対してねじり剛性を約15.5%高め,操作に対する車体の応答遅れを低減し,走りの楽しさと安心感を高めた。 新型CX-5のフロントシートは,不快な振動や揺れを抑え,しっかりと体を支えることで正しい姿勢のまま疲労を蓄積することなく正確な運転操作を続けることを目指し,初代CX-5以降磨き続けてきたシート構造を更に進化させた。人間の体を研究し,いわゆる「体幹」をしっかりと支持しすることで,脊椎が自然なS字カーブとなるようにした(Fig. 8)。これにより,理想的な運転姿勢を維持し疲労を軽減させるシートを実現した。 高密度化をさせ,前席・後席のクッションに採用し,不快な振動を低減し,上質感のある乗り心地を実現した(Fig. 9)。 Fig. 8 Maintain Ideal Shape of Spinal lordosis Fig. 7 Body Rigidity

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