マツダ技報 2017 No.34
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%( l il8400 -124- )gaSgndeW Fig. 5 Comparison of Welding Section both 20% CO2マツダ技報 という課題がある。この課題の要因はシールドガス中CO2比率の低下によるアーク圧力の低下にある。シールドガス中のCO2はアークプラズマ中の高温環境において解離し,その際の吸熱作用によってアークを緊縮させる熱的ピンチ効果を発揮する。これによりアーク柱の電流密度が増加しアーク圧力が増大する。 ここで,シールドガス成分以外にアーク圧力を増大させる働きを持つものとして,④パルス溶接における高ピーク電流が挙げられる。Greeneの報告(4)では,アーク柱中における任意の点の電磁圧力は電流値の2乗に比例するとされており,パルス溶接では短絡溶接に比べて高い電磁圧力を得ることが可能であると考えられる。これらの働きを総称してアーク圧力と呼称する。 亜鉛めっき鋼板の溶接においては,表面の合金化亜鉛が鉄よりも低い沸点を有しているため,気化した合金化亜鉛によってブローホールやピットが形成されやすい。そのため,亜鉛蒸気を溶融金属外部への排出を促進することが重要となる。亜鉛蒸気排出を促進する手法が,高いアーク圧力によってアーク直下から溶融金属を押しのけるというものである(5)。すなわち,アークプラズマにより生成された亜鉛蒸気を,溶融金属内部に含まれる前にアーク直下で排出することで気孔欠陥の抑制が可能となる。 Fig. 4に工法違いによる溶接ビード外観を示す。母材:440MPa級溶融亜鉛めっき鋼板の重ね継手を以下の条件,(A)従来工法(Ar:CO2=80:20,短絡溶接),(B)ハイアルゴン溶接(Ar:CO2=95:5,パルス溶接)で製作した。ハイアルゴン溶接は従来工法に比べ,スラグが約1/10に減少する。 幅広かつ平坦(大フランク角)となる。これは応力集中(疲労強度)に対し有利といえる(6) 。 Fig. 5に,溶接ビード断面形状を示す。本プロセスにより得られた溶接ビードは,従来プロセスのものに比べ2.2 ハイアルゴン溶接のシールドガス組成 シールドガス中のCO2量のねらい値は,溶接施工性とスラグ量から決まる。前述のメカニズムに基づく実験結果から,亜鉛めっき鋼板の気孔欠陥を抑制するには,5%以上のCO2量が必要である。初期見栄え錆の目標達成に必要なスラグ量を明確にするため,同一溶接条件(溶接電流パルス波形,開発溶接ワイヤ)にて,CO2量を5~10%の水準で評価した(Fig. 6)。10%CO2の場合,スラグが連続しており電着塗装の密着性から望ましくない。No.34(2017)耐気孔欠陥性,スラグ量/大きさが適切な状態となる「5%」をCO2量のねらいとする。 本プロセスは極低CO2量のシールドガスを用いるため,シールドガス中の酸素成分だけでなく,大気中の酸素成分の影響を受けることが懸念されるため,シールドガス流量の変化による溶接実験を実施した。 実験はシールドガス流量を変化させた場合のノズル内径違い(13mm,19mm)でのスラグ量を調査し,Fig. 7に示す以下の結果が得られた。 ・細径ノズル(シールド範囲が狭い)はスラグ量が多い。 ・細径ノズル(13mm)の場合,シールドガス流量の増加に伴い,スラグ量が増加する。 ノズル内径によりスラグ発生量が変化することは,性能確保の上で課題であり,その原因究明が必要である。そこで,グラフ横軸の流量を流速に換算したところ,細20%CO2 (Experiment) 13mm(Experiment) 19mm(Experiment) 1020 Shielding Gas Flow Rate (l/min)and Flow Rate(Experiment) (A) Ar+20%CO2 (Conventional Process) (B) Ar+5%CO2 (High Argon Process) Fig. 4 Comparison of Appearance of Welding Bead both 20% CO2 on Short Arc and 5% CO2 on Pulse (A) Ar+20%CO2 (Conventional Process) on Short Arc and 5% CO2 on Pulse (B) Ar+5%CO2 (High Argon Process)Ar+5%CO2 Ar+10%CO2 Fig. 6 Comparison of Slag by CO2 Ratio 2012Fig. 7 Relationship between Welding Slag 5mm 30 3. ハイアルゴン溶接の課題 ★

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