マツダ技報 2017 No.34
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til(840%(( l il ne gyxO -126- ) )tnem )itartnecnoC%w3-01(noirepxE )ssyanAgaSgndeWマツダ技報 これは,酸素を多く含む大気との境界付近のシールドガスが溶接部近傍にある渦に流入するためであると考えられる。また,この溶接部近傍の酸素濃度はFig. 7のスラグ生成量と同じ傾向を示す。以上の結果から,スラグの生成にはシールド内の酸素のうち,溶接部近傍にある酸素が大きく影響すると考えられる。 2 1 0 0 たシールドガスは,流速を持ち大気に対し負圧であるため,前章で推測したとおり,大気中酸素はシールドガスと大気の境界からシールドガスに侵入し,シールドガス内に浸透する。一方,酸素を含んだシールドガスと溶接ワイヤ先端から発生したプラズマ気流は母材到達後に分流して接触し,溶接部近傍に渦が発生する。シールドガス中の酸素は,シールド内に拡散しつつ前述の渦に流入し,大気中酸素は溶融金属内に侵入,金属内のSi及びMnと反応してスラグが生成されると考えられる。 4.3 大気中酸素の溶接金属への流入メカニズムの推定 Fig. 13に 前述の結果から推定したMAG溶接部におけるスラグの生成メカニズムを示す。噴出口から噴出され前述の結果から得た溶接条件,「Ar+5%CO2シールドガス」,「低粘性・低スラグ溶接ワイヤ」,「電流波形のパルス化」,「大径ノズル」にて,サスペンションクロスメンバーを製作し,良好な施工性(Fig. 14)と,ねらいのスラグ量(Fig. 15)を確認した。また,Fig. 16に,ハイアルゴン溶接で製作したテストピースに電着塗装を施した状態を示す。ねらいどおり,溶接ビード上のスラグを被覆し,スラグの露出を大幅に低減した。 当初のねらいどおり溶接止端部のスラグを極小化し,小スパッタでの施工性,信頼性上有利な大きいフランク角を有す, 溶接ビードが得られた。 量産に向けた課題として, ・ノズル大径化による狭隘部のアプローチ性悪化対策 No.34(2017)(2) 溶接部近傍における酸素濃度 Fig. 12に溶接部近傍における平均酸素濃度とシールドガス流量の関係を示す。酸素濃度は13mm,19mmともにシールドガス流量が多い場合で最も高くなっている。12Fig. 14 Appearance of Sus-Crossmember Fig. 15 Welding Bead by High-Ar Welding Process (A) Ar+20%CO2(Conventional Process) (B) Ar+5%CO2 (High Argon Process) Fig. 16 Welding Bead Covered by E-Coating by High-Ar Welding Process 13mm(Experiment) 1.5 19mm(Experiment) 0.5 10 Fig. 12 Relationship between Oxygen Concentration and Shielding Gas Flow Rate Oxygen Plasma Current Fig. 13 Schematic of Oxygen Flow 13mm(Analysis) 19mm(Analysis) 40Shielding Gas Flow Rate (l/min)30 20AtmosphereShielding Gas5. 実部品への適用

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