マツダ技報 2017 No.34
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hg H→ ←w oL (2) 目標値 -130- ]itar tsartnoC )rotcaitar i o f(%[ o lortnoC tsartnoCマツダ技報 No.34(2017)このレベルの歪みであれば判断の支障は少ないと考え,一般的に採用されている曲変ミラーの歪み度30%を目標値とした。 Thick ← Line thickness → Thin Natural ViewDistorted View (Fish-eye View) 次に,代用特性としたボケ,歪みの目標値について,検討した。 ①ボケ 人がモニター映像に映る対象物を見た時,対象の輪郭のコントラストの度合いにより,対象が判別できるかどうかが決まる。その度合いはMTF (Modulation Transfer Function)によって求めることができる(Fig. 3)。MTFはコントラスト比と空間周波数の関数で表され,0~100%の幅を持つ。100%に近づくほどボケが少なく輪郭が鮮明に見えることを表す。 一方,同じコントラスト比でも対象の幅が狭いほどボケたように見えるという特性がある。このため,どの太さまで見せるか決定する必要がある。路面を中心に見せることを主眼とする360°ビューモニターを使用するシーンで,路面上 最も細い対象物は白線であるため保証下限を白線の太さ(幅150mm)とした。また,レイリーの理論(2)(3)を参考に,視力0.7の人がモノの輪郭を識別するために必要なコントラスト比は,30%以上であるとした。これらを照らし合わせ,ボケの目標値は,Fig. 4の左上の範囲にある状態にあること,と定めた。 ②歪み 人が対象との相対距離を測るためには,日常見ている世界同様,自分のいる位置からの縦横方向の長さを確認できることが必要である。これより,三角法の要領で距離を測ることができるが,その縦横の長さに狂いが生じてしまうとそれを正確に求めることが難しくなる。したがって,この縦横の長さの比(以下縦横比)を求め,これを一定の割合以下とすることを目標とした(Fig. 5)。 目標値はドライバーが普段見ているものの歪み率を参考とする(Fig. 6)。いつも使用しているものであれば,その経験から瞬時に脳内への切り替えが可能になっているため,歪みがない状態と同等の反応ができるからである。 走行中見るものの中で歪みの大きなものとしてカーブミラーがある。このレベルは,対象の存在と進んでいる方向もおおよそ分かるが,相対距離がつかみにくい映像である。次に歪みが大きいのがドアミラーである。運転中ドアミラーを見る機会は多く,見た時の映像の脳内変換を何度も行っている。そのため一般的な慣れがあり,Fig. 2 Distortion Natural ViewFig. 4 Threshold of Contrast Ratio (4) Fig. 6 Degree of Distortion of Mirror Used for Fig. 3 MTF Evaluation(2) Fig. 5 Evaluation of Distortion Driving Space frequency [LP/mm] (Assured range) An image shot with a camera and processed

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