マツダ技報 2017 No.34
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3.4 安全技術 世界トップレベルの衝突安全性能を実現し,全ての乗 次に安全へのリスクが迫る際には,ドライバーに危険 加えて,アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS),スマート・シティ・ブレーキ・サポート [前進時/後退時](SCBS F/R),AT誤発進抑制制御 [前進時/後退時](PTC),交通標識認識システム(TSR),12分割のLEDブロックを使うアダプティブLEDヘッドライト(ALH)など,マツダの最新安全技術を導入した。 -7- No.34(2017) First Generation CX-5First Generation CX-5マツダ技報 員の安全を守る充実した先進安全装備を幅広く採用した。まず,ドライバーが安全に運転できる状態を最大限確保するため,ドライバーが自然な姿勢で運転できるペダル配置と,ステアリングホイールからの持ち替えがよりスムーズに行えるシフトノブの配置を行い,理想的な運転環境を実現した。 また,フロントウィンドウシールドに投射するタイプのアクティブドライビングディスプレイ(Active Driving Display)を採用した(Fig. 15)。従来のコンバイナタイプに比べて,より高く遠い位置に虚像を作ることにより,走行情報への視線移動を最小化するとともに,ドライバーが焦点を合わせる時間を更に短縮した。 を気付かせ安全運転をサポートすることを目指した。レーンキープ・アシスト・システム(LAS)は,北米の道路状況や運転特性に合わせて新しく開発し,マツダとして初めて北米市場に導入する。LASはドライバーの不注意により車線逸脱リスクが高まっている場合,システムが介入し,ステアリング操作を行うことで自然な車線逸脱回避操作をサポートする。 また,マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)は,追従可能な速度域の下限を初代CX-5の30km/hから0km/hへと拡大した。先行車に追従して,自動で減速・停止・再発進を行うことで,高速道路のみならず,市街地・渋滞シーンでのドライバーの疲労を軽減する(Fig. 16)。 新型CX-5の開発プロジェクトで目指したのは,走る歓びを更に深化させたSUVをつくることであった。つまり,CX-5と過ごす時間が笑顔で満たされるよう,ドライバーだけでなく,全ての乗員とクルマの関係を一層深めるクルマづくりをするということだった。それを実現するため,この新型CX-5に関わる全て領域のメンバーが,そのねらいと目指す理想像を深く理解することが重要と考えた。そのため,節目のたびに関連する社員が集まり,カスタマー像や,開発の考え方などについて共有化した。広島の本社では,1回1500人という規模で何度も説明会を行った。また,この取り組みは,日本のみならず海外でも行い,主要市場にエンジニアたちが出向いて,開発の考え方や商品概要を,開発の初期段階で共有化し,お客様へお届けする価値について共創を続けた。これらの活動によって,新型CX-5に関わる人々に,この商品の目指す姿とその達成に向けた課題への理解を深めた。 マツダは,クルマづくりの本質と真正面から向き合い愚直に挑戦し続ける姿勢や,何度も何度も根気強く想いを共有し共創し続ける姿勢こそマツダらしい個性であり,そこに自らの道があると信じている。 「お乗りいただく全てのお客様に走る歓びを提供し,クルマとの関係を一層深めたい」という挑戦から生まれた新型CX-5が,カーライフを通じてお客様に笑顔をお届けし人生をより豊かにする一台になる,と確信している。また,このクルマを通じて,常に挑戦し進化し続けるマツダを感じ取っていただければ,これに勝る歓びはない。 Fig. 14 Comparison of Acceleration Change Fig. 15 Active Driving Display Front Window Shield Type Fig. 16 Stop and Go Function 4. おわりに
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