マツダ技報 2017 No.34
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-136- Fig. 9 Comparison of Rate of Heat Release obruevavgnaugeRit t ll t obruPL Turbo type type PHマツダ技報 4.2 2ステージターボチャージャシステム 従来型で採用していた2ステージターボチャージャに対し,新型では大型ターボチャージャを固定ジオメトリーまた,本システムにより,近接多段燃料噴射が実現できるため,キャビティの中に全ての燃料が噴射でき,段付きエッグシェイプ燃焼室の壁面熱伝達低減効果を最大限引き出すことを可能とした。その結果,燃焼音と排気性能への弊害なく,Fig. 9に示すように燃焼期間の短縮を図った。 ターボチャージャから可変ジオメトリーターボチャージャ(以下VGターボチャージャ)に変更した(Table 2,Fig. 10)。VGターボチャージャを採用したことで,小型ターボチャージャ運転領域とのつながりがスムーズになり,全域での滑らかな走りを実現した。 またVGターボチャージャを駆動するアクチュエータと,小型ターボチャージャ⇔大型ターボチャージャの切り替えを行うレギュレーティングバルブアクチュエータに電子制御式を採用することでより緻密な制御が可能になり,レスポンスが良く,かつ高効率で過給できる運転域が広がり,加速時,及び高速走行時のパワフルな走りを強化した。 一方,通常VGターボチャージャにすると,排気通路内部品の追加により質量は増加方向となるが,新型では大型側タービンハウジングを従来の鋳鉄から2重管構造に変更したこと,及び大型側のタービンハウジングの排気経路を変更したことにより,ターボチャージャトータルでの質量を約10%低減した。また2重管化による断熱効果により,排気ガス温度の低下を抑えて,DOC(Diesel Oxidation Catalyst)の早期昇温を実現した。この2重管構造は,ステンレス製プレス板とステンレス鋳物を組み合わせてTIG溶接で接合しているが,運転時の振動や熱による応力をCAEの積極活用で高精度に把握することで,各部の応力を低減させた最適な形状とし,信頼性を確保している。 No.34(2017)New 2.2L FGT without Swing arm Electric Actuator Turbocharger with variable turbine geometry Electric Actuator Double wall sheet metal without 2000rpm BMEP: 900kPa NOx: const. Noise: const. Table 2 Specification Comparison Fig. 10 2 Stage Turbocharger Water cooled at bearing housing Control device Turbo type Control device Turbine housing Water cooled at bearing housing Engine Previous 2.2L FGT with Butterfly type Vacuum Actuator FGT with waste gate Vacuum Actuator Cast iron with

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