マツダ技報 2017 No.34
148/207

+..w * ワクワク感として計測するため,各セッションの終了後に,課題を行っている時のワクワク感の程度について,0~100で回答を求めた。 2.4 実験倫理 本実験は,広島大学及びマツダ(株)の研究倫理委員会にて承認を得て実施した。実験協力者には,インフォー 2.2 MRI計測条件 3.0T MRI装置(Siemens MAGNETOM Verio)を用い撮像パラメータは,TR=2000ms,TE=24ms,30slices,Slice Thickness=4mm(without gap),Voxel size=3×3×4mm,Flip angle=75°,Field of view=192mmとした。この設定によって,脳を2秒周期で水平方向に4mm厚で30スライスした画像を,セッション中連続して記録した。なお,1ボクセルの大きさ(Voxel size)は脳画像の空間分解能を示す。 2.3 実験協力者 実験協力者は年齢19~52歳,右利きの35名(男性:16名,女性19名,1名の男性を除いて右利き)であった。 大学生とマツダ社員から募集し,内訳は,大学生が18名(男性8名,女性10名),平均22.3歳(SD 2.4),運転歴は平均0.8年(SD 1.5)うち免許なしは4名であり,マツダ社員が17名(男性8名,女性9名),平均35.9歳(SD 6.9),全員運転免許を保持し,運転歴は平均12.7年(SD 8.4)であった。 -141- ]s[ . htiTR*: p < 0.05 +: p < 0.1 No.34(2017) マツダ技報 なお,MRI計測精度を低下させる頭部の動きが大きかった3名(大学生2名,マツダ社員1名,いずれも女性)を脳活動解析から除外した。 ムドコンセントを実施し,実験参加への意志を書面にて確認した。 ターゲット検出課題の反応時間(n=35)をFig. 3 に示す。窓枠×速度×ターゲット位置の実験協力者内3要因分散分析を行った。その結果,ターゲット位置,速度の主効果が有意(ps<0.005)であり,速度60km/hは速度160km/hより反応時間が短く,ターゲット位置に関しては,修正Shaffer法による下位検定の結果,全てのターゲット位置の間に5%水準で有意な差が認められた。 また,ターゲット位置×窓枠の交互作用が有意(p<0.01)であり,ターゲット位置によって,窓枠の種類に対する反応時間の変化が異なっていることが示された。ターゲット位置Right2での窓枠の単純主効果が有意(p<0.05),ターゲット位置Left2での窓枠の単純主効果が有意傾向(p=0.066)であった。このように,ターゲット位置Right2,Left2において,運転しやすい垂直ピラー条件では,反応時間が短くなるという行動の変化が現れた。 M E S na eM Fig. 2 Stimuli Used in the Visual Target Detection Task. Target Was a Red Circle Presented at Either of Five Different Locations (Left2, Left1, Center, Right1, and Right2). The Window Shield with a (a) Vertical or (b) Tilted A-pillar Was Superimposed on a Simulated Driving Environment 60km/h160km/h(a) Vertical Pillar (b) Tilted Pillar 0.600.550.500.450.40Left2 Left1 Center Right1 Right2 Vertical PillarVertical PillarTarget Position Tilted Pillar Tilted Pillar 60km/h 160km/h Fig. 3 Reaction Time 3. 反応時間

元のページ  ../index.html#148

このブックを見る